横断歩道で一時停止しないと違反になる? 一時停止が必要なシーンを解説
歩行者のいる横断歩道では、車は一時停止をする必要があります。また横断歩道に限らず、歩行者がいる場合は車が一時停止をしなければなりません。
一時停止が必要になる場面と場所、状況をしっかり確認しておかないと、うっかり一時停止違反になってしまいます。
この記事では、一時停止をしなければいけない場所や場面、横断歩道での一時停止について解説していきます。
目次
横断歩道での一時停止のルール|横断歩道は歩行者優先
横断歩道では、歩行者の横断が優先されます。
道路交通法第三十八条に基づき、歩行者が横断しようとしている場合や横断している場合、車両はその歩行者を妨げないように速度を落とし、必要に応じて停止しなければなりません。
道路交通法・第三十八条(一部抜粋)
車両等は、横断歩道又は横断歩道等に接近する場合には、当該横断歩道等を通過する際に当該横断歩道等によりその進路の前方を横断しようとする、歩行者等がないことが明らかな場合を除き、当該横断歩道等の直前で停止することができるような速度で進行しなければならない。
引用:道路交通法 | e-Gov法令検索
車が一時停止しなくてはならない場所・場面
道路交通法・第四十三条において、一時停止に関する規則が定められています。
道路交通法・第四十三条
引用:道路交通法 | e-Gov法令検索
車両等は、交通整理が行なわれていない交差点又はその手前の直近において、道路標識等により一時停止すべきことが指定されているときは、道路標識等による停止線の直前(道路標識等による停止線が設けられていない場合にあっては、交差点の直前)で一時停止しなければならない。
これを元に、車が一時停止をしなくてはならない場所・場面について、次項で解説していきます。
車が一時停止しなくてはならない場所
車が一時停止をしなければいけない場所は、以下の3か所です。
- 「一時停止」の道路標識・道路標示がある場所
- 交差点や踏切
一時停止が必要な場所には「止まれ」と書いてある道路標識・道路標示があります。
基本的には停止線が敷かれているので、その手前で一時停止しましょう。
特に踏切では、全ての車両が通過前に一時停止を行う必要があります。
交差点の停止に関する優先基準は、以下の記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
【一時停止の道路標識】
車が一時停止しなくてはならない場面
道路標識・道路標示がある場所や交差点や踏切の手前であれば、一時停止が必要な場所として迷わず認識できます。
しかし、車が一時停止しなくてはならないのは定められた場所だけではありません。
下記のような場面においても、危険を避けるために一時停止する必要があります。
- 横断歩道のない場所で、歩行者が道路を横断する場合
- 緊急自動車(救急車・消防車・パトカー)が接近してきた場合
- 児童や幼児、障害者や車椅子の人が、道を横切りたい場合
自宅やお店の駐車スペースに侵入したいときに歩道を横切ることがあります。この時は、歩行者がいないことを確かめるために一時停止しなくてはなりません。
救急車、消防車、パトカーなどの緊急自動車が接近してきたときには、その通行を優先するために一時停止をする必要があります。
一時停止する場所でなくとも、児童や幼児、障害者や車椅子の人が道を横切る場合は、道路交通法・第七十一条において徐行運転や一時停止が義務付けられています。
一時停止を必要とする特定の状況を理解するために重要です。適切な運転行動をとることは、道路上のすべての利用者の安全を確保するために不可欠です。
車と歩行者等の衝突事故について
こちらでは、警察庁の事故件数の発表をもとに、横断歩道の手前での車の減速について解説していきます。
歩行者等との衝突による交通死亡事故件数
警察庁の公式サイトでは、平成30年~令和4年までの5年間の歩行者等の交通死亡事故件数について、以下のように発表しています。
●自動車と歩行者が衝突した交通死亡事故は4,678件
●そのうち3,295件(約70%)は、歩行者が横断中の事故
●そのうち2,150件(約45%)が、横断歩道以外の場所を横断しているときに発生
横断歩道はもちろん、横断歩道以外の場所でも交通事故が発生していることが分かります。
情報引用元:横断歩道は歩行者優先です|警察庁Webサイト (npa.go.jp)
歩行者や自転車がいなければ一時停止の義務はないが…
法律上、横断歩道での一時停止が義務付けられているのは「歩行者が横断中の場合」「歩行者が横断しようとしている場合」で、明らかに歩行者がいない場合は一時停止の義務はありません。
また、自転車横断帯の標識がなく、自転車の走行が確認できない場合も、同じく一時停止の義務はありません。
しかし、雨や雪などの天候不良、夜間などで視界が見えづらい場合は、歩行者や自転車の有無が確認しづらいです。
車には交通弱者を守る義務があります。
たとえ歩行者がいないように見えたり、自転車横断帯の標識がなかったりする場所でも、スピードを出して運転すれば事故に繋がるかもしれないです。
横断歩道や自転車横断帯などの一時停止が要求される可能性のある場所に近づく際には、特に注意深く観察し、必要であれば一時停止をする習慣を身に付けておくようにしましょう。
横断歩道の手前では必ず減速する
警察庁の公式サイトでは、横断歩道手前での車両の運転について、速度を落とすように注意を呼びかけています。
【警察庁|横断歩道は歩行者優先です】
横断歩道や自転車横断帯に近づいたときは、横断する人や自転車がいないことが明らかな場合のほかは、その手前で停止できるように速度を落として進まなければなりません。また、歩行者や自転車が横断しているときや横断しようとしているときは、横断歩道や自転車横断帯の手前(停止線があるときは、その手前)で一時停止をして歩行者や自転車に道を譲らなければなりません。
横断歩道や自転車横断帯やその手前で止まっている車があるときは、そのそばを通って前方に出る前に一時停止をしなければなりません。
横断歩道や自転車横断帯とその手前から30メートル以内の場所では、ほかの車を追い越したり、追い抜いたりしてはいけません。
横断歩道のない交差点やその近くを歩行者が横断しているときは、横断歩道標識その通行を妨げてはいけません。
横断歩道、自転車横断帯とその端から前後に5メートル以内の場所では、駐車も停車もしてはいけません。
ただし、赤信号や危険防止のために一時停止する場合などは別です。
引用:横断歩道は歩行者優先です|警察庁Webサイト (npa.go.jp)
一時停止の時間について
一時停止の時間について、道路交通法では特に記載はありません。一時停止違反になるかどうかは警察の判断によるところが大きいです。
- 歩行者や自転車、対向車両がいないかを確認する
- 踏切でサイレンが鳴らないかしっかりと確認する
時間を気にするのではなく、以上のことをしっかりと確認できたら発進するようにしましょう。
あくまで「一時停止とは安全な交通社会を維持するためのルール」と、心掛けて下さい。
横断歩道で一時停止違反をした場合の罰則
横断歩道を含めて、必要な場所で一時停止をしなかった場合は「一時停止規則等違反・踏切不停止義務違反」として以下の罰則があります。
車両 | 一時停止規則等違反の反則金 (道路標識等がある場合) | 踏切不停止義務違反の反則金 | 違反点数 |
---|---|---|---|
大型車 | 9,000円 | 12,000円 | 2点 |
普通車 | 7,000円 | 9,000円 | 2点 |
二輪車 | 6,000円 | 7,000円 | 2点 |
原付・特殊小型車 | 5,000円 | 6,000円 | 2点 |
情報引用元:反則行為の種別及び反則金一覧表
自転車も一時停止をしなければいけない
ちなみに、自転車でも一時停止違反を犯せば処罰の対象となります。自転車の一時不停止違反の罰則は「3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金」です。
また、3年以内に2回以上違反を犯した場合は「自転車運転講習」の受講命令が届きます。この命令に従わないと5万円以下の罰金が課されるので気を付けましょう。
受講に関しては、手数料6,000円に加えて3時間の講義を受けなければいけません。
自転車で歩行者を撥ねたり自転車同士で衝突したりすると、相手に大きな怪我を負わせる危険性があります。
自転車を運転する際も、一時停止はしっかりと心掛けましょう。
横断歩道の一時停止についてのまとめ
- 横断歩道では歩行者や自転車の横断が優先
- 横断歩道のない場所でも、歩行者や自転車が道路を横断する場合は譲らなければいけない
- 横断歩道で一時停止違反した場合は、軽微であるが罰則はある
横断歩道を含め、歩行者や自転車が道路を横断しようとする場所では、必ず譲るようにしてください。
この記事の監修者
DUKS 府中店 営業事務
吹浦 翔太
業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。