車の日常点検の頻度は法律で決められている?点検項目や法定点検についても解説
車の点検には以下2種類の方法があります。
- 専門店やディーラーなどで数年に一度行われる「車検」や「法定点検」
- 個人で行う「日常点検」
「点検」と聞くと何だか仰々しいように聞こえますが、日常点検はさほど難しくありません。チェックするポイントさえ抑えれば、初心者ドライバーでも定期的に点検を行えます。
今回は車の日常点検の「頻度」と「箇所」について詳しく説明していきます。
目次
車の点検について
車には法律で義務付けられている「法定点検」や「車検」があります。ディーラーや整備工場などで車検を行う場合は、法定点検も兼ねて検査してくれます。
車検は自家用車の場合、2年に1回検査を受けないと公道を走行することはできません(新車登録から初回の検査は3年)。
一方、日常点検はユーザーが日常的に自主的する点検のことです。
日常点検も「国土交通省による自動車の点検・整備に関する案内」では、点検は使用者の義務と定められています。ただし、定期点検のように頻度や時期は定められていません。
車の日常点検は、15の項目があり基本的に車の状態をチェックするためのもので、特に複雑な修理や調整をしない限り、それほど長い時間を要するものではありません。
車の日常点検の頻度は「月1回」がベスト
日常点検は車をよほど乗り回さない限り、「月1回」の頻度で構いません。
習慣化するために、「毎月第4日曜日は日常点検をする」など、点検する日を決めるとやりやすくなります。
車の外側から見える部分と、内側から操縦する部分を月に1回ほど点検してください。
日常点検の目的と必要性
日常点検の目的は、車の故障を未然に防ぐことです。私たちは普段 何気なく運転していますが、季節によっては車にかかる負担が違ってきます。
例えば夏は強烈な暑さでエアコンをフル稼働させると、どうしても車の負担は大きくなります。
また、冬は日照時間が短いためライトの点灯時間が長く、バッテリーへの負担が大きくなったり、電球の消耗が早いです。
年末年始やお盆、ゴールデンウィークなど車の移動が長くなる場合は、タイヤの消耗も早くなります。
目に見えなくとも、車は必ず負担がかかっています。そのため細目に点検し、異常を感じたらパーツ交換などすることで、車の寿命は伸びていきます。
車の日常点検で確認する15項目
「国土交通省の日常点検15項目チェックシート」にある項目を紹介します。
- ブレーキ液の量
- 冷却水の量
- エンジン・オイルの量
- バッテリ液の量
- ウインド・ウォッシャ液の量
- ランプ類の点灯・点滅
- タイヤの亀裂・損傷の有無
- タイヤの空気圧
- タイヤの溝の深さ
- エンジンのかかり具合・異音
- ウインド・ウォッシャ液の噴射状態
- ワイパーの拭き取り能力
- ブレーキの踏み残りしろと効き具合
- 駐車ブレーキの引きしろ(踏みしろ)
- エンジンの低速・加速状態
こちらでは各項目の点検について、詳しい確認方法を解説していきます。
タイヤ周りの点検
タイヤを点検するときは、亀裂や損傷、空気圧や溝の深さに注目してください。
点検箇所 | 詳細 |
---|---|
亀裂や損傷 | タイヤに亀裂や損傷があると、タイヤがパンクしたり破裂したりする恐れがあります。 目視で亀裂や損傷の有無を確認すると共に、釘や石などの異物が混入していたら必ず取り除いてください。 |
空気圧 | 空気圧が足りていないとタイヤが安定せず、ハンドル操作が難しくなります。 空気圧が足りているかどうかは、たわみ具合を目視で判断するか、念を入れてタイヤゲージを使って確認しましょう。 |
溝の深さ | タイヤには、スリップサインの位置があるので、購入した時に担当者に確認するのが良いです。 溝の深さが1.6mmのタイヤは整備不良として使用禁止ですので、直ちに取り換えてください。 |
タイヤに不備があると、事故に繋がる危険性も高くなります。亀裂や損傷、空気圧や溝の深さはきちんと点検してください。
各液体の残量
エンジンオイル、ブレーキオイル、冷却水が切れると、安全に車を運転することはできません。
それぞれの液体が補充するかどうか、残量を確認しましょう。また、漏れがないかも合わせて確認します。
確認方法は、以下の表を参考にしてください。
エンジンオイル | エンジンに付いているオイル・ゲージを抜きとり、付着しているオイルを拭きとってから、再びゲージをいっぱいに差し込みます。 再度抜きとり、ゲージの先端についている2本のラインか、ギザギザ部分の目印の中間にオイルがあれば大丈夫です。 |
ブレーキオイル | ブレーキオイルはリザーバ・タンクを見て、液量が上限・下限ラインとの間にあるか見ます。 液量が減っていたら、液漏れかブレーキ・パッドの摩擦が原因の可能性もあるので、チェックしてください。 |
冷却水 | リザーバ・タンクから冷却水の量が上限ラインまで入っているか確認しましょう。 |
バッテリー液 | 液量がUPPERとLOWERの間にあるかどうか、車両を揺らすなどして点検してください。 |
ウィンドウォッシャー液 | 目盛りの上限まで補充しましょう。じょうごを使って補充すればスムーズに作業することができます。 |
各液が足りない場合は補充、漏れがみられる場合は専門店に持っていき、きちんと見てもらうようにしてください。
ランプ類の点灯・点滅
車のランプは、夜道を走る時はもちろん走行中にドライバー同士がコミュニケーションをとる上でも非常に重要なものです。
ランプを点検する際は、「全て点灯するか?」「点滅はするか?」「損傷はないか?」を確認しましょう。
点灯や点滅に問題がないかを確認することはもちろん、汚れや損傷がないかもあわせて点検してください。
事故やトラブルに発展してしまわないよう、ランプの点検をしっかり行いましょう。
ワイパーの拭き取り能力やウインド・ウォッシャ液の噴射状態
ワイパーのブレードやラバーは消耗品なので、性能が落ちていたり劣化していることがあります。
この二つが整っていないと、フロントガラスやリアガラスの汚れを充分に拭き取ることができません。
雨の日は特に視界が悪くなり、事故の原因に繋がってしまいます。
ワイパーの状態を見るときは、ブレードやラバーがきちんと整備された状態にあるかを確認しましょう。
ガラスを傷つけないようウォッシャー液を掛けながら、低速から高速まで動かし、可動範囲や拭き上げ具合をよく確認してください。
また、ワイパーの作動範囲内にウインド・ウォッシャ液が噴射されているか、向きや高さが適当かチェックしましょう。
動作点検
動作点検とはエンジンを動かしたりブレーキペダルを踏んでみたりして、動作に以上がないかの確認です。
普段から頻繁に運転する人は、運転中に車の異変に気付くかもしれません。
一方、車をあまり運転しない人は車の異常に気付きにくいです。月に1回は車を動かして、動作に異常がないかどうかを確認してください。
- エンジンのかかり具合がスムーズで、始動・アイドリング時の音に異常がないか?
- ブレーキペダルの踏み応えに普段と違和感がないか?
- ハンドブレーキを引いた時に、引きしろが多すぎたり少なすぎたりしないか?
- アクセルペダルに引っかかりがないか?暖機運転して加速や低速、アイドリング時の回転がスムーズに続くか確認する
- ウィンドーがスムーズに動くか?動かない場合は不純物が挟まっている可能性があるので確認する
車をあまり運転しない人は、以上の動作を意識しましょう。
また、普段から車を運転する人も、運転中の動作に違和感を感じた場合は、ここで紹介した項目を思い出してください。
車の日常点検についてのまとめ
- 日常点検の頻度は「月1回」がベスト
- 日常点検の目的は、車の故障を未然に防ぐこと
- 車の日常点検は、タイヤ・ランプ・ワイパー・ガラス・各液体の残量・車の動作を見る
一度に点検するのが面倒だったり難しかったりする場合は、日を分けて各部分を点検するようにしてください。
日常点検を行うことで車の異常に気付きやすくなり、運転中の故障を防げます。点検を習慣化させ、安全運転を続けられるようにしていきましょう!
この記事の監修者
DUKS 府中店 営業事務
吹浦 翔太
業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。