タイヤのひび割れ|交換時期や許容範囲を画像付きで解説

「タイヤのひび割れを見かけると、そろそろ交換時期かな?」と、思う人もいると思います。
確かに、ひび割れはタイヤ劣化のサインのひとつであり、安全性に関わる重要な目安です。しかし、全てのひびが即交換を意味するわけではありません。
ひびの深さによって危険度は異なり、適切な対策を講じることで走行に支障なく使い続けられるケースもあります。
今回の記事では、タイヤのひび割れの種類や危険性、交換時期の判断基準について画像付きで解説していきます。
目次
タイヤのひび割れ(クラック)とは?
タイヤのひび割れ(クラック)とは、ゴムの経年劣化や紫外線、熱、酸素などの影響によって表面に細かい割れ目が生じる現象です。
特に注意すべきは、側面(サイドウォール部)に現れるひび割れです。ここはタイヤの構造を支える重要な部分のため、進行すると強度が低下し、走行中にバースト(破裂)を引き起こす危険があります。
一方、接地面(トレッド部)のひび割れは摩耗と併発することが多く、グリップ力の低下やパンクのリスクにつながります。
見た目が浅いひびでも内部にまで進行している可能性があるため、定期的な点検と早めの交換が安全走行の鍵です。
タイヤのパンクやバーストについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
画像付き|タイヤのひび割れはどこまでが許容範囲?
タイヤのひび割れは、どこまでが許容範囲なのか?タイヤのひび割れは5段階でレベル分けができ、レベル1・2までが許容範囲です。

画像出典元:一般社団法人 日本自動車タイヤ協会
レベル1・2:継続使用して問題ない
レベル3・4:走行できるが経過観察が必要
レベル5:早急にタイヤ交換が必要
こちらでは、それぞれの「ひび割れレベル」について解説していきます。
レベル1・2:継続使用して問題ない

画像出典元:一般社団法人 日本自動車タイヤ協会
タイヤの表面に細かいひびやシワが見える状態は、一般的に「レベル1・2」の軽度なひび割れとされます。
これはゴムの自然な経年変化によって起こるもので、深さが浅く、構造的な損傷には至っていないため、すぐに交換が必要なわけではありません。
特に側面や接地面に浅い線状の割れが見られても、ゴムの柔軟性が保たれており、走行性能や安全性に大きな影響はないとされています。
レベル3・4:走行できるが経過観察が必要

画像出典元:一般社団法人 日本自動車タイヤ協会
タイヤの表面に、1mm程度のひびができる状態は「レベル3・4」に分類され、走行可能ですが注意が必要です。
現時点で重大な危険はないものの、ひび割れが進行するかどうかを、日常点検で定期的に確認してください。
ひびが広がったり深くなったりする兆候があれば、早めのタイヤ交換が望ましいです。
レベル5:早急にタイヤ交換が必要

画像出典元:一般社団法人 日本自動車タイヤ協会
タイヤのひび割れが奥深くまで達している状態、いわゆる「レベル5」は非常に危険な段階です。
表面だけでなく内部の構造層にまで亀裂が進行している恐れがあり、走行中の衝撃や荷重によって突然バーストするリスクが高まります。
特に側面に深いひびがある場合、タイヤの強度が著しく低下しており、車両の安定性や操縦性にも悪影響を及ぼします。
また、接地面にまで達するひびは、グリップ力の低下や制動性能の不安定化を招き、雨天時などにはスリップ事故の原因にもなり危険です。
このレベルのひび割れは安全性を著しく損なうため、すぐタイヤ交換をするようにしてください。
原因|タイヤのひび割れが起こるのは何故?

画像出典元:一般社団法人 日本自動車タイヤ協会
タイヤのひび割れが起こるのは、空気圧不足や経年劣化、過度な洗車などが原因です。
- 空気圧不足や経年劣化
- 過度な洗車
- 紫外線や熱による影響
- 車にあまり乗っていない
空気圧不足や経年劣化
タイヤのひび割れは、空気圧不足や経年劣化が主な原因です。
空気圧が低い状態で走行を続けると、タイヤのたわみが大きくなり、ゴムに過度な負荷がかかってひびが入りやすくなります。
また、使用年数が長くなると紫外線や酸素の影響でゴムの柔軟性が失われ、表面に細かい亀裂が生じやすくなります。
見た目に問題がなくても、内部から劣化が進行している場合があるため、定期的な空気圧管理と年数による交換が重要です。
過度な洗車
タイヤのひび割れは、過度な洗車によって引き起こされる場合があります。
洗浄時に強力な洗剤を頻繁に使用したり、高圧洗浄機でタイヤ表面を繰り返し刺激すると、ゴムの保護成分が流れ落ちてしまい、柔軟性が失われてひび割れやすくなります。
さらに、洗車後に直射日光の下で濡れたまま放置すると、急激な乾燥と熱の影響でゴムが硬化し、細かな亀裂が生じる原因になります。
紫外線や熱による影響
紫外線や熱の影響によって、タイヤのゴムは劣化していきます。直射日光に長時間さらされたタイヤは、紫外線がゴムの成分を分解し、表面が硬化して柔軟性を失います。
また、夏場の高温や路面からの熱も加わることで、タイヤ内部の温度が上昇し、ひび割れが進行しやすいです。
屋外駐車や洗車後の直射日光下での放置なども劣化を早める要因となるため、保管環境に注意してください。
車にあまり乗っていない
車にあまり乗っていない場合でも、タイヤのひび割れは進行します。走行による摩耗が少なくても、長期間動かさないことでタイヤのゴムが硬化し、柔軟性を失ってしまいます。
特に屋外で保管されている車は、紫外線や気温変化の影響を受けやすく、ゴムの劣化が加速しやすいです。
さらに、タイヤが同じ位置で荷重を受け続けることで、接地面や側面にストレスが集中し、ひび割れが生じやすくなります。
車を長期間放置した場合のリスクについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
対策|タイヤのひび割れ進行を軽減する方法

タイヤのひび割れ進行を軽減するには、適正な空気圧を維持したり、タイヤを適切に保管したりすることが大切です。
- 適正な空気圧を維持する
- タイヤの汚れは水洗いで行う
- タイヤを適切に保管する
- 定期的に車を運転する
適正な空気圧を維持する
タイヤのひび割れを防ぐには、適正な空気圧を維持することが欠かせません。
空気圧が不足するとタイヤのたわみが大きくなり、走行中にゴムへ過剰な負荷がかかって亀裂が生じやすくなります。
逆に高すぎる空気圧も、路面からの衝撃を吸収しにくくなり、表面に微細なひびが入る原因になります。
月に一度の空気圧チェックを習慣にし、車種ごとの指定値に合わせて調整することで、タイヤの劣化を抑えることが可能です。
タイヤの汚れは水洗いで行う
タイヤの汚れを落とす際は、水洗いを基本とし、洗剤を使う場合は必ず中性タイプを選ぶことが重要です。
アルカリ性や酸性のカーシャンプーは、ゴムの成分を分解しやすく、ひび割れの原因となるため避けるようにしましょう。
特にタイヤワックスや強力な洗浄剤を頻繁に使うと、表面の保護層が失われて劣化が進行します。
水だけで汚れが落ちない場合は、柔らかいスポンジと中性洗剤を使いましょう。優しく洗うことでゴムの柔軟性を保ち、ひび割れの予防につながります。
タイヤの洗い方については、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
タイヤを適切に保管する
タイヤのひび割れを軽減するには、保管環境の管理が重要です。直射日光や雨風にさらされる屋外では、紫外線や湿気によってゴムが劣化しやすくなります。
特に使用していないタイヤは、空気圧が低下し、変形やひび割れの原因になります。こうしたリスクを避けるには、温度や湿度が安定した屋内で保管することが理想的です。
保管場所が確保できない場合は、専門店が提供する「タイヤ保管サービス」を利用することで、適切な環境での保管が可能になり、劣化を防ぐ効果が期待できます。
タイヤ保管サービスについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
定期的に車を運転する
車を長期間動かさずに放置すると、タイヤの同じ箇所に荷重がかかり続け、ゴムが硬化してひび割れが起こりやすくなります。
定期的に車を運転することで、タイヤ全体に均等な力が加わり、ゴムの柔軟性を保つことができます。
また、走行によってタイヤ内部の潤滑成分が循環し、劣化の進行を抑えることにも効果的です。
週に一度でも短距離を走る習慣をつけることで、タイヤひび割れの軽減につながります。
タイヤのひび割れについてのまとめ
- タイヤの表面に「1mm程度」のひびができる状態は、走行可能だが経過観察が必要
- タイヤのひび割れが広がってきたり、深くなってきたりしたら即交換
- 適正な空気圧、適切な洗車と保管で、タイヤのひび割れ進行を軽減できる
タイヤのひび割れは劣化のサインであり、放置すれば危険につながる恐れがあります。深さや場所によって交換の目安は異なるため、正しい知識と対策が欠かせません。
安全な走行を守るためにも、定期的な点検と早めの判断が重要です。
この記事の監修者
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DUKS 府中店 営業事務
吹浦 翔太
業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。












