冬の運転の注意点!本格的な冬が来る前の車の装備・対策もあわせて解説
冬季の車に関する危険やトラブルは、運転中のものだけとは限りません。人間の暮らしと同様、車にも「冬の備え」が必要です。
本格的な冬が来る前にしっかり準備しておくことで、冬でも快適にドライブすることができます。
そこで今回の記事では、冬の運転時の注意点や、本格的な冬が来る前に備えておきたい「クルマの冬支度」について詳しく解説していきます!
冬の運転の注意点
ゆっくりとした発進・早めの減速
後ほど詳しく解説しますが、冬の路面は凍結しやすく、路面凍結や積雪時の急加速・急ハンドル・急ブレーキは事故を起こします。
- 急加速…ホイールスピンの原因になります。
- 急ハンドル…車がスピンしてしまいます。
- 急ブレーキ…車がスリップしてしまいます。
冬でなくても厳禁ですが、路面が凍結した道路では特に注意が必要です。冬の運転では必ず、発進するときはゆっくりと、減速は早めに行うよう心掛けてください。
坂道走行について
路面が凍結しやすい冬場は、坂道での走行も注意が必要です。上り坂・下り坂では、以下の運転を心がけましょう。
・上り坂…ギアをシフトダウンし、アクセルを一定にしてください。前に車がいれば車間距離は十分に空けましょう。再発進する際は、平地よりも少しだけ多めにアクセルを踏んでいきます。
・下り坂…事前に減速、シフトダウンしてエンジンブレーキを効かせましょう。
坂道も平地と同様に、急発進・急ブレーキをしない運転がポイントになります。
積雪時は轍(わだち)の上を走行する
積雪した道路では、凸凹な障害物が雪によって隠れている可能性があります。そのため、積雪時は轍の上を走行するのが無難です。
注意点としては、轍の上は凍結している可能性が高いので、スピードを落としてゆっくりと走行してください。
また、右左折時に轍から脱出する際も、ハンドルをとられないように慎重に運転しましょう。
冬季の主なクルマトラブル
路面凍結
積雪が多くない地域でも、雨に濡れた路面が気温の低下によって凍結してしまうことがよくあります。
冬タイヤに変えたからといって、100%スリップしないとは言い切れません。道路走行時は、路面の状態をよく確認した上で、普段より走行速度を落とし目視確認の頻度を増やすようにしましょう。
あわせて、トンネルを抜けた先や橋の上などは凍結しやすくなっているので特に注意してください。万が一に備えて車間距離も充分に保ち、急ブレーキは絶対に踏まないようにして下さい。
フロントガラスの凍結
朝方に通勤するため乗車しようとしたら、フロントガラスが凍っている経験をした人も多いのではないでしょうか。その際はエタノールの使用がおすすめです。エタノールをフロントガラスに吹きかけるだけで、凍結は解消されます。
手っ取り早いからと言って、ガラスに熱湯はかけないようにしましょう。
フロントガラスが凍結した際の対処法やエタノールの使用方法については、以下の記事で詳しく解説しています!手っ取り早いからと言って、ガラスに熱湯はかけないようにしましょう。
フロントガラスが凍結した際の対処法、エタノールによるガラスの解凍については、以下の記事で詳しく解説しています!
ガラス(内側)の曇り
冬の寒い時期、車の暖房を入れるとたちまちガラスの内側が曇ってしまうことが頻繁に起こります。
これは、車の内外の気温差で生じる結露が原因であるため、デフロスター(霜取り装置)をオンにすることで解消できます。
もしもデフロスターが付いていない場合は、エアコンをオンにした状態で、送風をフロントガラス側に設定しましょう。
そのほか、ガラスの曇りについては以下の記事で詳しく解説しています!
路肩の雪
雪の多い地域などでは、除雪車によって路面の雪を路肩に避ける光景をよく見かけますよね。
雪が路肩に積まれていると、普段よりも道路の幅が狭くなり、そのぶん見通しも悪くなってしまいます。
その影響で歩行者や自転車の発見が遅れ、接触事故に繋がる可能性も高くなってしまうのです。
ホワイトアウト
ホワイトアウトとは、雪や吹雪などによって視界が真っ白な状態になってしまうことです。
道路状況や周囲の状況が確認しづらくなってしまうため、様々な事故を引き起こす恐れがあります。ホワイトアウトは一瞬のうちに視界が遮られるため、その影響で交通事故も多発してしまいます。
ホワイトアウトが起きてしまったときは速やかに安全な場所へ駐車し、待機するようにしてください。このとき、路肩に駐車してしまうと追突事故が発生してしまう危険があるので、待避所や安全に駐車できる駐車場へ車を停めましょう。
やむを得ず走行しなければならない場合は必ずライトを点け、速度を落として走行して下さい。
冬に起こりがちな車の「意外なトラブル」
雪下ろしの際のガラス傷
雪下ろしの際に、スノーブラシを強くガラスに当ててしまうと、ガラスに傷がついたり跡が残ったりすることが多くなります。
視界不良の原因にもなりかねないので、車に積もった雪を除去する際には十分注意して下さい。
使用する道具も、金属製ではなくプラスチックのような樹脂製の物が良いでしょう。
冬タイヤ(スタッドレスタイヤ)へ変えたことによる飛び石
スタッドレスタイヤの溝は通常のタイヤよりも溝が大きく、石などが挟まりやすくなります。
また、除雪剤や雪解けの際に残った小石がタイヤの溝に挟まり、それを飛ばしてガラスが破損することが多くなります。
軽油の凍結
車は内部に水や油をたくさんもつ製品です。中でも「軽油」は、凍結してしまうこともあります。
軽油にはワックスの成分が含まれているため、極度の低温になると凝固して燃料経路を詰まらせてしまう事態も引き起こします。
寒冷地のガソリンスタンドで販売されている軽油は凍結しにくい仕様になっているため、凍結するリスクは少ないのですが、特に都市部から寒冷地などの寒い場所へ移動する場合などは、軽油が凍結するケースもあるので注意して下さい。
絶対にやっておくべき冬の車の装備・対策について
スタッドレスタイヤへの交換
車の冬支度として絶対に欠かせないのが、タイヤをスタッドレスタイプに変えることです。
スタッドレスタイヤの寿命は平均して3~4年程度と言われていますが、走行状況によってはもっと早く寿命がきてしまっている場合もあります。
冬タイヤに交換する前には必ず「タイヤの溝」と「タイヤゴムの硬さ」を確認して下さい。
溝が浅くなっていたりゴムが硬くなっていたりしたら、新しいものに交換しましょう。
タイヤチェーンの装備
降雪時や降雨後の朝方はチェーンを装備しましょう。ゴム製やウレタン製は運転中の振動が少なく、乾いている路面でも切れにくいのでおすすめです。
バッテリーやエンジンオイルの確認と交換
冬季走行になると、暖房の使用やスピードを落としての運転が増えるので、バッテリーが充分に充電されない可能性があります。また、エンジンオイルが劣化していると、エンジンがかかりにくくなり、バッテリーへの負担が大きくなってしまいます。
バッテリーの寿命は、約2年~5年と言われています。
車を頻繁に運転する人は、2年に一度冬前にバッテリーを交換する習慣をつけると良いでしょう。また、冬場はエンジンオイルが冷えてエンジンがかかりにくいので、粘度の低いオイルの使用をおすすめします。
バッテリー上がりの対処法については、以下の記事で詳しく解説しています!
ワイパー・ウォッシャー液の確認と交換
通常のワイパーは雪や凍結によるサビで故障しやすくなり、機能が落ちてしまいます。
特に気温が低い地域(降雪が多い、山間部など)に住んでいる場合は、本格的な積雪になる前に必ず冬用のワイパーに交換しておきましょう。
また、気温が低い地域はウォッシャー液が凍ってしまうこともあるので、氷点下でも凍らない冬用のウォッシャー液に交換しておくとベストです。
コーティングを徹底しておく
窓ガラスのコーティングを施していない人は、コーティングを施した方が安全運転に繋がります。
冬場の窓ガラスのコーティングには、以下のメリットがあります。
- 雨や雪の日でも視界を確保できる
- ガラスの凍結防止にも繋がる
特にフロントガラスは、念入りにコーティングを行ってください。コーティングを施している人も、今一度しっかりコーティングを行うと安全です。
フロントガラスのコーティングに関しては、以下の記事で詳しく解説しています!
ジャッキやブースターケーブルなどを車内に積んでおく
チェーンを装着する際に欠かせないジャッキは、スタックから脱出する際に役立つこともあります。使用できる状態かどうかを確認し、チェーン装備が終わったら車の中に積んでおきましょう。
また、突然バッテリー上がりを起こしても対処できるように、ブースターケーブル(ジャンプコード)も備えておきましょう。ブースターケーブルがあれば非常時でも他車にレスキューしてもらうことができます。
カイロや毛布を車に積んでおく
雪の日に運転していて渋滞に巻き込まれたり、車が立ち往生したりしておくと、数時間から最悪の場合は十数時間も、車の中で過ごさなければいけません。
外はかなり寒くなっているので、車に毛布やカイロを常備しておくと、防寒対策になります。
雪の日に車が立ち往生したときの対策に関しては、以下の記事で詳しく解説しています!
最後に
地域にもよりますが、交通事故は12月頃に急増すると言われています。
もちろん、年末年始の帰省や旅行で道路交通量が増えることも要因ですが、路面の凍結も大きな要因です。また、秋から冬は日の出が遅く日没も早いため、視界が暗くなり気温も冷え込みます。
できれば冬場の運転は明るい時間帯を心掛け、朝方や日没後はより一層安全運転を心掛けることも、冬季走行の大きなポイントです。
また、冬場はゆっくり発進・減速を心掛けて「急」が付く操作は避けましょう。
冬でも快適なドライブをするためにも、確認や準備はしっかり行っておきましょう!
冬の装備に関しては、以下の記事でも詳しく解説しています!
この記事の監修者
DUKS 府中店 営業事務
吹浦 翔太
業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。