フロントガラスに撥水コーティングをしたのに、白く曇るのはどうして?

トラブル

しっかり撥水コーティングを施したはずなのに、ワイパーを使った瞬間にフロントガラスが白く曇った状態になってしまう状況に遭遇したことはないでしょうか?

これには、下地処理・ワイパーとの相性など、様々な原因が考えられます。

今回は、撥水コーティングをしたのにも関わらずフロントガラスが白く曇ってしまう原因について紹介していきます。

撥水コーティングをしてもフロントガラスが白く曇る原因

撥水コーティングをしても、フロントガラスが白く曇る原因は以下の6つです。

【6つの原因】

原因1:下処理が不十分
原因2:スプレータイプの撥水加工
原因3:ワイパーゴムの劣化や汚れ
原因4:ガラスとワイパーゴムの相性
原因5:再施工の際に以前の撥水コーティングを落としきれていない
原因6:ワイパーを高速で動かしている

原因1:ガラス用コンパウンドでしっかり下地処理をしていなかったから

そもそもコーティングを施す前に、フロントガラスが油膜などで汚れていたり傷ついていたりすると、どうしてもムラが出てしまいキレイに仕上げることが出来ません。

そのため、下地処理はとても大切な工程になってきます。

施工前には必ず、コンパウンドで油膜や汚れをしっかり取り除いておきましょう。余分な油分を取り除くことでコーティングの精度がアップします。

下地処理を怠ってしまうと、いくら品質の高いものを丁寧に塗ってコーティングしても、フロントガラスが白く曇ってしまうことがあります。

原因2:スプレータイプの撥水加工だけで終わらせてしまっているから

手軽に撥水コーティングできるとして、スプレータイプのコーティング剤を選ぶ人も多いです。

基本的に、撥水コーティングは「きっちり塗り込む」「しっかり拭いて仕上げる」という2つのポイントが非常に重要になってきます。

つまり、塗るタイプの撥水加工を施すのであれば、「一番手間のかかるもの」を使用するようにすれば長持ちする、ということになるのです。

スプレータイプよりも撥水効果が優れているものが多く、フロントガラスが曇りにくくなるので、スプレータイプの撥水加工だけで終わらせず、塗り込むタイプのものも併せて使ってみてください。

原因3:ワイパーゴムが劣化している・汚れているから

「ワイパーゴムの劣化・汚れによる影響」も白く曇る原因の一つとして考えられます。

フロントガラスに撥水コーティングを施しても、ワイパーが劣化していたり汚れてしまっていたりすると、白く曇ってしまうことがあります。

撥水コーティングをする前に、ワイパーの状態が良好であるかも確認しておきましょう。

水はけが悪くなっていたり、ワイパーを使うと部分的にスジが入ったりにじみが出てきてしまったら、交換のサインです。

以下の記事で、ワイパーの交換について解説しています。

原因4:ガラスの状態とワイパーゴムの性質の相性が悪いから

撥水コーティングに適していないワイパーゴムを使用している影響で、撥水コーティングを施したガラスを傷付けているケースも考えられます。

ワイパーゴムには、シリコン系とフッ素系それぞれ撥水コーティングに適したタイプがあります。

「シリコート」と「グラファイトタイプ」というタイプのワイパーゴムです。摩擦抵抗が低く、撥水効果を持続させる特徴があります。

「ノーマルタイプ」などのワイパーゴムを選ぶと、摩擦が強く撥水コーティングを傷付けて、白く曇る原因にもなります。

ガラスに撥水コーティングを施したら、施工した溶剤の成分に合わせて「シリコート」か「グラファイトタイプ」を選ぶようにしてください。

原因5:撥水コーティングがしっかり落としきれていないから

撥水コーティングは、年月を重ねると劣化していきます。撥水コーティングを再度施すときは、劣化したコーティングを落とす作業が必要です。

これを怠り、劣化したコーティングの上から再度コーティングを施すと、ムラができフロントガラスが白く曇る原因になります。

コーティング落とし用の専用クリーナーは、専門店での購入が可能なので、ぜひ覗いてみてください。

原因6:ワイパーを高速で動かしている

撥水コーティング後、フロントガラスに白い曇りが一瞬現れる場合、ガラス上の水滴がワイパーブレードにこすられることで、非常に細かい粒になることが考えられます。

一瞬霧のような感じで白くなったり、白いモヤがかかるときはこれが原因です。

この現象は窓ガラスの撥水効果が良く、ワイパーブレードがよく働いているほど起こります。

ブレードがよく水をこするほど、水滴は細かい水の粒になるため、高速でワイパーを動かすと一瞬白く曇ることがあります。

「曇りを放置」は絶対NG!事故につながる恐れも

撥水コーティングでガラスが白く曇ってしまったときは、絶対に放置しないようにしてください。視界不良を引き起こし、大きな事故の原因になります。

自分で撥水コーティングを施すときは、以下の下準備を入念に行いましょう。

  • 油膜、汚れをしっかり取り除く
  • 劣化したコーティングを落とす

これらの下準備を行っても曇ってしまう場合は、ワイパーの状態をチェックしてみてください。

撥水コーティング後にフロントガラスが白く曇った場合の対処法

こちらでは、撥水コーティング後にフロントガラスが白く曇ったときの対処法や、解決方法について解説していきます。

ワイパーを低速モードにする

ワイパーを動かしてフロントガラスが一瞬白く曇る場合は、低速モードで動かすようにしてください。

窓ガラスの撥水効果が良く、ワイパーブレードが水をよくこするほど起こる現象なので、低速モードに切り替えれば白く曇るのを抑えやすくなります。

塗り込むタイプのコーティング剤を使ってみる

スプレータイプのコーティング剤を使って白く曇る場合は、塗り込むタイプのコーティング剤も合わせて使ってみてください。

塗り込むタイプのコーティング剤の方が、スプレータイプよりも撥水効果が優れています。

併せて使うことでフロントガラスが曇りにくくなる可能性があるので、塗り込むタイプのコーティング剤を使ってみましょう。

ワイパーゴムを変えてみる

コーティング剤とワイパーゴムとの相性が悪い可能性があるため、ワイパーゴムを変えてみましょう。

ノーマルタイプのワイパーゴムよりも、シリコートやグラファイトタイプを選ぶようにしてください。

コーティング剤の成分に合わせて選ぶ必要があるので、ワイパーゴムを購入する際は、カー用品店で知識のあるスタッフに聞くのがおすすめです。

再施工をする

コーティング剤のタイプにもよりますが、コーティング剤をとって再施工してみるのもおすすめです。

自力で行う際は、以下の手順で行ってください。

【再施工の手順】

①:油膜取りやコンパウンドで、コーティング剤を取る
②:ワイパーを綺麗にする
③:ガラス用コンパウンドでしっかりと下地処理をする
④:塗り込むタイプのコーティング剤で再施工をする

油膜取りやコンパウンドで時間をかけて丁寧に落とせば、コーティング剤を取ることができます。

ただし、フッ素系のコーティング剤の場合は、自力で落とすのは至難の業です

自力で落とそうとすると、フロントガラスに傷が付く危険性があるので、プロに相談してみてください。

正確かつ楽に解決したいなら、プロに依頼して撥水加工をしてもらおう!

撥水コーティング後も快適に運転するなら、やはりプロに依頼するのがベストです。専門店やディーラーに相談すれば無料で見積もりを出してくれます。

用具を揃えてご自身で撥水コーティングを施す手間と、プロに任せる費用とのバランスを見て考えてみましょう。

プロに聞いた!「気になる2つのコト」

━━ 実際に「撥水コーティング」を車の所有者自身がおこない、「どうしても白く曇ってしまう」という相談や依頼をした場合、どのような対応・処置を施していただけるのでしょうか。

基本的に、撥水に異常がある場合は全ての溶剤を落として撥水をかけなおします。

撥水がかかっている上にさらに撥水はかけられないので、まずはガラスを綺麗にして新しく撥水をかけなおす方法で対応しています。

━━ 自動車ガラスに施すコーティング(撥水コーティングなど)は、やはりプロに依頼したほうが賢明でしょうか。自力で施すリスクなどがあればぜひ教えてください。

市販の撥水材でもかなり強力なものが増えているので、撥水材を施工する種類はお客様の好きなものでいいと思います。

ですが、やはり下地処理が非常に重要になってきますので、まっさらな綺麗なガラスに撥水をしたいということであればプロにお任せいただいた方が良いでしょう。

新車でも多少なり油膜は付着していますので、どんな車でも下地の処理は必須になります。

協力:glassD 府中店 ・吹浦翔太 さん(サービスフロント)

フロントガラスに撥水コーティングをすると白く曇るについてのまとめ

  • 白く曇らないためには、コーティングの際の下地処理をしっかりとする
  • ワイパーも原因のひとつなので、ワイパーゴムを変えたり綺麗にしたりする
  • 自力で解決が難しい場合は、プロに相談する

今回は、撥水コーティング後にフロントガラスが曇る原因について解説しました。

「下地処理」と「ワイパー」が主な原因なので、自分でコーティングを施工する際はこの2点に注意しましょう。

自力で解決できないときは、迷わずプロの判断を仰ぐようにしてください。

この記事の監修者

GlassD吹浦先生

DUKS  府中店 営業事務

吹浦 翔太

業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。

インタビュー記事

ピックアップ記事

関連記事一覧