止まれの標識について|設置基準やデザインの変更、一時停止を無視するとどうなる?
「止まれ」の標識は「一時停止」を表しており、標識のある場所では、車は一旦ストップしなければいけません。
路面にペイントされている「止まれ」も同様の意味ですが、実は役割に違いがあるのをご存じでしょうか?
この記事では、意外と知られていない標識と路面ペイントの「止まれ」の違いや、違反した場合の罰則について解説します。
目次
止まれの標識の意味や設置基準について
道路標識の「止まれ」の意味は「一時停止」です。主に交差点や踏切に設置されている場合が多く、標識のある場所では車は一時停止をしなければなりません。
「一時停止」については、道路交通法・第四十三条で以下のように定められています。
道路交通法・第四十三条
引用元:道路交通法 | e-Gov法令検索
車両等は、交通整理が行なわれていない交差点又はその手前の直近において、道路標識等により一時停止すべきことが指定されているときは、道路標識等による停止線の直前(道路標識等による停止線が設けられていない場合にあっては、交差点の直前)で一時停止しなければならない。
以上の通り、標識を無視して警察に取り締まられると、反則金を払う必要があります。
一時停止する秒数
「一時停止」についてですが、秒数については明確に定められていません。一時停止の判断は、見ている警察次第になります。
標識は主に交差点に設置されているので、歩行者や自転車、対向車両がいないかを確認してから発進するように心掛けましょう。
時間を気にするのではなく、あくまで周りの安全確認を行うことが重要です。
止まれの標識の設置基準について
警察庁の交通規制基準(144ページ)によると、「止まれ」を設置する目的と対象道路については、以下のように記載されています。
【規制目的】
引用:警察庁|交通規制基準
交通整理が行われていない交差点又はその手前の直近において、車両等が一時停止すべき場所を指定することにより、交差点通行の優先順位を明確にし、交通事故の未然防止、危険防止の措置を徹底させ、交差点及びその付近における交通の安全と円滑を図る。
【対象道路】
原則として次のいずれかに該当する交差点又はその手前の直近
1:屈折、勾配、道路工作物等により左右の見通しがきかない交差点
2:多岐交差点等その形状が複雑な交差点
3:出会い頭等の交通事故が発生するおそれのある交差点
4:その他交差点の優先関係を明確にする必要がある交差点引用:警察庁|交通規制基準
【留意事項(一部)】
本規制の実施場所が次の(1)から(4)に該当する場合は、原則としてそれぞれに示す道路の側で実施すること。
(1)広い道路と狭い道路が交差する場合は、狭い道路
(2)幅員が同じ場合は、交通量の少ない道路
(3)丁字路の場合は、突き当たる方の道路留意事項
(4)直近に信号機の設置された交差点がある場合は、当該信号機に対面しない方向の道路
基本的には、見通しの悪い交差点で車同士の衝突、車と歩行者の事故を避ける目的があります。
標識の設置場所については、道幅が狭い道路や交通量の少ない道路に設けられるのが一般的です。
止まれの標識は2017年からデザインが変わった?
「止まれ」のイラスト
画像引用元:日本の特殊な道路標識・標示の意味 警視庁 (tokyo.lg.jp)
実は2017年7月1日から「止まれ」の下に「STOP」という、英字が併記されたデザインの標識が導入されています。
導入の背景として、東京オリンピック・パラリンピック2020の開催や、訪日外国人の増加が理由です。
国民と外国人双方にとって分かりやすいものにするため、日本語と英語が表記されています。
止まれの路面ペイントの意味
道路標識ではなく、路面に描かれた「止まれ」の道路標示を目にする機会があります。
道路標示の「止まれ」も道路標識と同じく、一時停止を指示しています。ほとんどの場合が、停止線とともに描かれることが多いです。
路面に描かれている「止まれ」は、赤い標識の「止まれ」がある場所に一緒にペイントされています。
表記にはバリエーションがあり、各地の道路事情などに合わせて書き方が違います。
たとえば、画像のような横書きタイプや縦書きタイプ、文字も「止まれ」「止マレ」「とまれ」「STOP」などさまざまです。
止まれの標識と路面ペイントの違い
三角で赤い道路標識については、法律で「一時停止」としての効力があります。しかし、路面にペイントされている「止まれ」は、厳密に言えば法的に規制効力がないです。
どちらも意味としては「一時停止」なので、大きな違いはありません。路面の「止まれ」は、標識の「止まれ」をサポートするための存在として、各地で定着していった流れがあります。
道路標識だけだと、交差点によってはドライバーが気付かずに、「一時停止」を怠る場合があります。
しかし、道路に「止まれ」とペイントされていると、さすがにどのドライバーも気付くでしょう。
路面の「止まれ」は、あくまで「一時停止」を強調する目的であり、これを「法定外表示」というジャンルに分類されます。
法定外のため、一時停止への規制効力はありませんが、「ここは一時停止の場所です。もしくは、近くに道路標識もありますよ。」という、一時停止の場所をアピールするために描かれているものなのです。
止まれの標識を無視するとどうなる?
「止まれ」の標識を無視すると、「一時停止規則等違反」となり罰則の対象です。違反点数はどの車両も2点ですが、反則金は異なってきます。
また、踏切でも「止まれ」の標識がありますが、こちらも無視すると「踏切不停止義務違反」になります。
違反点数は同じく2点で、こちらも車両によって反則金が異なります。
「一時停止規則等違反」「踏切不停止義務違反」の罰金については、以下の表を参考にしてください。
車両 | 一時停止規則等違反 | 踏切不停止義務違反 |
---|---|---|
大型車 | 9,000円 | 12,000円 |
普通車 | 7,000円 | 9,000円 |
二輪車 | 6,000円 | 7,000円 |
原付・ 特殊小型 | 5,000円 | 6,000円 |
止まれの標識は自転車も守るべき?
結論から言うと、自転車も「止まれ」を無視すると、車と同様の罰則が待っています。
自転車は道路交通法では、軽車両と規定されています。そのため、「止まれ」を無視すると「一時停止規則等違反」にあたり、車と同様の違反となります。
これは「一時停止規則等違反」だけではなく、飲酒運転などでも一緒です。基本的に車の違反は、自転車にも適用されると考えて良いです。
止まれの標識についてのまとめ
- 道路標識の「止まれ」の意味は「一時停止」
- 設置場所については左右の見通しが悪い交差点、形状が複雑な交差点など
- 標識を無視すると「一時停止規則等違反」により、違反点数(2点)と反則金が課せられる
止まれの標識を無視して走行すると、対向車や歩行者と衝突する危険性があります。
標識のある場所では、周囲の安全を確実に確認することが重要です。
以下の記事では、道路標識を含めた横断歩道での一時停止、優先道路での一時停止について解説しています。合わせて参考にしてください。
この記事の監修者
DUKS 府中店 営業事務
吹浦 翔太
業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。