車検に必要なものは?ユーザー車検の必要書類も解説

雑学

車検には、ディーラーや整備工場などで受ける「代行車検」と、運輸支局や軽自動車検査協会に持ち込んで自分で点検・整備を行う「ユーザー車検」の2種類があります。

実は、代行車検とユーザー車検で必要なものが若干異なることをご存じでしょうか?

この記事では、代行車検とユーザー車検に共通して必要なものから、ユーザー車検のみで必要になる書類について説明していきます。

車検の際に必要なもの

ユーザー車検では、代行車検よりも必要なものが多くなります。

代行車検の場合は、業者が代行して運輸支局にいくつか手続きをしてくれるため、必要なものが少ないです。

代行車検とユーザー車検で必要なものは、以下の表を参考にしてください。

代行車検・ユーザー車検で共通して必要なものユーザー車検に必要なもの
・自動車検査証(車検証)
・自賠責保険証明書
・自動車税(軽自動車税)納税証明書
・印鑑
・車検費用
・発煙筒  
・定期点検整備記録簿
・自動車検査票
・自動車重量税納付書
・継続検査申請書

※代行車検の主な場所:ディーラー、整備工場、カー用品店、車検専門店、ガソリンスタンド

自動車検査証(車検証)

自動車検査証は、車が前回の車検で保安基準をクリアしたことを示す書類であり、一般的には「車検証」として知られています。

この自動車検査証には、所有者や使用者、車台番号など車の識別情報が記載されており、車に常に搭載しておく必要があります。

自動車検査証は、整備工場や運輸支局への移動や、有効期間の更新を行う際に必須となる書類です。

自賠責保険証明書

全てのドライバーは、自賠責保険への加入が義務付けられています。

自賠責保険証明書は、自賠責保険への加入を証明する書類であり、車検証と同様に公道を走行する際には携帯が必須です。

基本的には車検の期限に合わせて初回36ヶ月、2回目以降は24ヶ月の期限で加入する人が多く、車検を受ける際に更新します。

もしも、自賠責保険証明書を紛失した場合は、保険会社に連絡をして再発行を依頼してください。

しかし、ディーラーや自動車販売店経由で契約していた場合は、どこの保険会社なのか不明なので、その際は車を購入したディーラーや自動車販売店に確認をとりましょう。

自動車税(軽自動車税)納税証明書

自動車税(軽自動車税)納税証明書は、自動車税を収めていることを証明する書類です。

自動車税の納付書は、毎年5月頃に自宅へ郵送され、税金を納めると用紙の右側を納税証明書として利用できます。

車検を受ける際には必ず必要ですが、他の必要書類とは違い携行が義務付けられていません。

自宅で保管しているケースもあるため、車検日までに用意しておいてください。

印鑑

現在は国土交通省の通達により、サインでも手続きができるようになりました。

ただし、代行車検を受ける際に必要な「継続検査申請書」には、業者によっては捺印欄が残っているため、印鑑を求められるケースがあります。

その場合の印鑑は、朱肉を使用しないインク浸透印ではなく、通常の認印を持参してください。

車検を受ける際は、お願いする業者や運輸支局(軽自動車検査協会)に、印鑑が必要か必ず確認しましょう。

車検費用

車検を受ける際は、数万円〜十数万円の費用が必要です。料金は軽自動車や普通自動車、車の重量で異なり、費用相場は以下を参考にしてください。

車両(重量)費用相場主な車種
軽自動車45,000円~80,000円ムーヴ、スペーシア、タントなど
普通自動車(~1t)60,000円~90,000円スイフト、パッソ、キューブ、フィットなど
普通自動車(1t~1.5t)70,000円~100,000円プリウス、ステップワゴン、ヴォクシーなど
普通自動車(1.5t以上)80,000円~130,000円レクサス、アルファード、エルグランドなど

※この費用は自動車重量税、自賠責保険料、印紙代に一般的な車検基本料金を加味した、新車登録から13年目未満のものです。

※パーツの修理や交換の必要によっては、さらに高額になります。

※ユーザー車検の場合は車検基本料金が不要なため、これらの料金より安くなります。

発炎筒

道路運送車両法上にて、発煙筒は「非常信号用具」として車に積む義務があります。そのため、車検を受ける際は発炎筒がないと通りません。

また、発炎筒の期限は4年となっており、燃焼時間5分以上で炎の色は赤色炎であるなど、細かい規定が設けられています。

その他(場合によって必要なもの)

ロックナット(タイヤ・ホイール盗難防止用ナット)を取り付けている場合に限り、専用のアダプターである「ロックナットアダプター」がいります。

ロックナットは特殊な形状のため、アダプターがなければタイヤが取り外せないからです。

また、保険内容が合っているかを確認する意味で、任意保険の証券の提示を求められる場合があります。

ユーザー車検を受けるときの必要書類

こちらでは、ユーザー車検を受けるときに必要な書類について解説していきます。

代行車検の場合はディーラーや整備工場などの業者が、これらの書類を代わりに用意してくれるので必要ありません。

定期点検整備記録簿(法定点検が終わっている場合)

法定点検とは車検とは別に受ける、車の点検のことです。法定点検には、12ヶ月点検と24ヶ月点検があります。法律で義務付けられた点検ですが、実は受けなくても特に罰則はありません。

ただしユーザー車検を行う場合は、事前に法定点検を受ける必要があります。「定期点検整備記録簿」は、車の購入時に付いているのが一般的です。

点検後に記録簿に内容を記入し、運輸支局や軽自動車検査協会に提出します。

法定点検は代行車検と同様に、ディーラーや専門店で点検してもらうのが一般的です。

法定点検については、以下の記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。

自動車検査票

自動車検査票は車検の検査結果を記録する用紙で、点検の合否を記録するために必要です。

運輸支局の窓口に用意されているので、事前に準備する必要はありません。

車の各部位の動作や整備状態を点検し、各検査で合格判定をされれば、自動車検査票に合格印が印字されます。

全ての検査に合格すると、新しい車検証が受け取れるので、大切な書類です。

自動車重量税納付書

自動車重量税を納付するための用紙で、こちらも自動車検査票と同様に運輸支局の窓口で受け取れます。

車検証を見ながら必要項目を記入し、窓口で自動車重量税分の印紙を購入したら、用紙に貼り付けて提出するだけです。

継続検査申請書

継続検査申請書は、新しい車検証を発行するために必要です。

車検に合格したら継続検査申請書を提出して、専用の機器に読み込ませるとことで新しい車検証が発行されます。

当日、運輸局で受け取れますが、国土交通省のサイトからダウンロードして、事前に準備することも可能です。

国土交通省:自動車:OCR申請書各種様式について – 国土交通省 (mlit.go.jp)

簡略化される書類について

車検証の電子化により、自賠責保険証明書と自動車税(軽自動車税)納税証明書の提出が、簡略化されるようになります。

電子車検証は、2023年1月4日からスタートしました。この日付以降に車検を受けることで、今までの紙の車検証から電子車検証へと切り替わります。

電子車検証については、以下の記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。

自賠責保険証明書

電子車検証では車両の基本的情報に加えて、自賠責保険証明書もまとめてデータで管理されています。

そのため、今までは個別の紙媒体で管理している情報でしたが、カード1枚にまとめられてスマホから確認できるようになりました。

自動車税(軽自動車税)納税証明書

普通車の場合は車検証の電子化以前に、2015年から自動車納税証明書は電子化されています。

そのため、以下の条件が満たされていればデータで確認できるので、自動車納税証明書を持っていく必要はありません。

  • 継続車検であること
  • お住まいの自治体が納税確認の電子化に対応済み
  • 自動車税を未納・滞納していない
  • 納税から3週間以上が経過

引用:車検時に納税証明書の提示を省略できます – 神奈川県ホームページ (pref.kanagawa.jp)

ちなみに車検証が電子化され、普通自動車・軽自動車ともにオンラインで納付情報を確認できるようになりました。そのため、今後は軽自動車も納税証明書の提出が簡略化されます。

軽自動車検査協会:1月4日より、継続検査の申請手続において、納税証明書の提示を省略化(納税確認の電子化)しました! | 2022年度 の重要なお知らせ | 軽自動車検査協会 本部 (keikenkyo.or.jp)

車検に必要なものについてのまとめ

  • ユーザー車検の場合は、代行車検よりも必要な書類が多い
  • 車検証の電子化により、今後は自賠責保険証明書と自動車税(軽自動車税)納税証明書が簡略化される

ユーザー車検は代行車検に比べて必要書類が多いですが、検査を受ける運輸支局で書類が準備されているため、定期点検整備記録簿を除いて事前に準備する必要はありません。

この記事の監修者

GlassD吹浦先生

DUKS  府中店 営業事務

吹浦 翔太

業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。

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