車検が期限切れする前に猶予を持って検査を!期限延長は特例のみ可能

雑学

自動車を購入した場合、どの車でも定期的な車検が義務づけられていることを知っておくべきです。

自家用自動車の場合、普通自動車・軽自動車ともに新車登録から最初は3年後、その後は2年ごとに車検を実施しなくてはなりません。

うっかり車検を忘れてしまうと、後の手続きが煩雑になるため、有効期限が来る前に余裕を持って車検を受けることが理想的です。

本記事では、車検の期限延長が可能かどうか、いつ頃車検を受けるのが最適か、そして期限切れの際の対応策について説明いたします。

車検の期限延長は基本的に不可能

基本的に、車検の有効期限に関して延長は認められないと考えておくべきです。社会的な災害が発生しない限り、延長は許可されません。

車検は、安全な交通社会を保つために、自動車に問題がないかをチェックする不可欠な検査です。

そのため、「道路運送車両法の第六十一条」により、車検の有効期限の延長は原則として認められていないことが規定されています。

参考:道路運送車両法 | e-Gov法令検索

特例として延長されたケースもある

過去には社会的な災害があった場合のみ、車検の有効期限が延長されています。実際のケースとして以下の災害が起きたとき、特例として有効期限が延長されました。

主な災害特例の内容
新型コロナウイルス感染症2020年2月28日〜3月31日までに満了日を迎える車検を4月30日まで延長。
車検満了日が2020年5月31日までの対象車を、最終的には2020年7月1日まで延長。
2019年7月の大豪雨九州や島根県、岐阜県など、被害が特に多かった地域を対象に、2ヶ月ほど有効期限の延長。
東日本大震災東北4県、関東の1都7県を対象に有効期限の延長。
また、岩手県・宮城県・福島県の一部地域と、その地域で救助・災害復旧・物資輸送等を行っている車両に対して、2011年3月11日〜6月10日に満了日を迎える車検の有効期限が2011年6月11日まで延長。

車検は満了日の2ヶ月前に業者へ相談して、30日前以内に受けるのがベスト

車検は、期限満了日の30日前以降に受けることで、満了日以降の有効期間が新たに始まることを覚えておきましょう。

このため、満了日の30日前に車検を受けることを意識すれば、車検を忘れる心配はほとんどありません。

車検を期限満了日の30日前以降に受けるためには、満了日の2ヶ月前くらいに業者に連絡すると、検査をスムーズに受けることができます。

さらに、「指定工場」として国土交通省に分類される業者であれば、特例として満了日の45日前から有効期限を引き継ぐことが可能です。

ただし、30日や45日よりも前のタイミングで車検を受けると、残りの有効期間が失われ、車検が通ったその日から有効期間がスタートすることに注意してください。

車検の猶予がない場合のリスク回避方法

仕事やプライベートで多忙を極め、車検の期限までどうしても猶予が無い場合は、以下の方法でリスクを回避してください。

必要書類の準備

代行車検でもユーザー車検でも、共通して必要な書類があります。

まずは落ち着いて、必要書類や必要な持ち物を準備してください。車検で必要なものは、以下の6つです。

必要書類

自動車検査証(車検証)

・自賠責保険証明書

・自動車税(軽自動車税)納税証明書

・印鑑

・車検費用

・発煙筒

さらに、ロックナット(タイヤ・ホイール盗難防止用ナット)を装着している場合は、ロックナットアダプターも必要となります。

加えて、任意保険の証券もチェックしておきましょう。保険内容が適切かどうかを確認する目的で、任意保険の証券の提示が求められることがあります。

「1日車検」を実施している業者を探す

代行車検の中には、「1日車検」を実施している業者も存在します。特に車検専門店では、1日車検を行っているお店が多く見られます。

ディーラーや整備工場、カー用品店で車検を受ける場合、2〜3日程度の時間がかかることがありますが、1日車検では朝に車を持ち込んで夕方には引き取ることが可能です。

ただし、必要最低限の検査だけのため、細かい異常を見逃す可能性があります。

さらに、部品の劣化や故障などでパーツ交換が必要となる場合、1日で終わらないケースもあるので注意が必要です。

また、検査ラインを持たない業者では、土日の車検に対応していないことが多いです。

土日に車検を受けたい場合は、指定工場の資格を持つディーラーや整備工場、車検専門業者を中心に探すことをおすすめします。

車検切れとなった場合の対処法

車検が切れた車を引き続き使用したい場合は、再度車検を取得する必要があります。車検を再取得する方法は次の2つです。

  • 仮ナンバーを取得して整備工場の持ち込む
  • 引取サービスを利用する

車検が切れた車は公道を走行できないため、仮ナンバーを取得してディーラーや整備工場、運輸支局に持ち込む必要があります。

仮ナンバーを取得するためには、免許証・印鑑・車検証・自賠責保険証を用意し、各市区町村の役場で申請しなければなりません。

引取サービスとは、車検切れで公道を走行できない車を業者が工場まで運んでくれるサービスです。

ただし、通常の車検費用に加えて、引取費用が別途必要なことに留意してください。

車検切れとなった場合の対処法については、以下の記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。

猶予がない状態で車検を受けるリスク

満了日までに猶予がない状態で車検を受けると、最適な業者が見つかりにくかったり、再検査が必要になると期限が過ぎてしまったりするリスクがあります。

最適な業者が見つかりにくい

代行車検には、過剰整備を行う業者が存在します。過剰整備とは、本来交換する必要のない部品まで交換することを指します。

過剰整備を行う業者は、次の車検のリスクまで考慮するものから、利益を水増しするために悪徳な業者まで存在し、高額な車検費用がかかる可能性が高いです。

ディーラー車検の場合、適正な検査が行われますが、整備工場や車検専門店と比べると、費用が数万円高くなることがあります。

満了日が迫っていると、良好なサービスを手頃な価格で提供する業者を探す時間がなく、最適な業者を見つけにくい場合があるので、余裕をもって車検を受けましょう。

再検査が必要になると期限が過ぎてしまう

検査基準をクリアできなかったり、パーツに不備が見つかった場合、再検査が必要となることがあります。

再検査が必要となると、車検の有効期限内に対応しきれないリスクが高まります。

再検査では、部品の修理や交換を行い、車検を通すための安全基準を満たした後、再度検査を受けます。

ただし、再検査から車検を受け直すまでには一定の時間が必要です。

このため、満了日直前に車検を受けて再検査になると、車検期間内に再検査を終えられず、車検切れのリスクが高まります。

車検の期限切れの猶予に関するまとめ

  • 車検の有効期限の延長は、天災が起こらない限り基本的に不可能
  • 車検は満了日2ヶ月前に業者へ相談して、30日前以内に受けるのがベスト
  • どうしても猶予がない場合は、必要書類をしっかり確認して「1日車検」を実施している業者を探す

車検は猶予を持って受けないと、再検査になった場合に有効期限が切れるリスクがあります。

基本的には満了日の2ヶ月前には業者に相談して、30日前以内に車検を受けるのがベストです。

この記事の監修者

GlassD吹浦先生

DUKS  府中店 営業事務

吹浦 翔太

業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。

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