車に雷が落ちても感電しない理由|車に雷が落ちる確率ってどれくらい?
車を運転中、雷が鳴り始めたら不安な気持ちになるかもしれません。もしも走行中、車に雷が落ちたら搭乗者や車は大丈夫なのでしょうか?
車に雷が直撃する確率は極めて低いですが、万が一のことを考えた場合、気になる人もいるでしょう。
今回の記事では、車に雷が落ちたら搭乗者や車は大丈夫なのか、またもしも車に雷が落ちた場合の対処法について解説していきます。
目次
【結論】落雷中は車外よりも車内にいた方が安全
落雷中は、屋外よりも車内にいた方が安全です。仮に車に雷が落ちたとしても、車内にいる人たちに危害が加わる可能性はほぼありません。
電気は、一定の法則で流れる方向が決まっています。たとえば金属製の箱に電気を流すと、電気は箱の表面を伝って地面に落ちるため、箱の内部には電気が流れません。
JAFが行った実証実験では「車に落雷した場合、車内にいる人への影響について検証」した中で、次のような結果が出ました。
引用:落雷時、車や車内にいる人への影響は?(JAFユーザーテスト)
【検証内容】
車の直上に雷を落とし、車内にいる人に影響があるのかをアルミホイルを全身に巻き付けたマネキンを使用して検証した際、以下のような結果となった。
<全てのドア・窓が閉じた場合>
<運転席の窓を少し開けた場合>
それぞれの場合で、雷が車内に入り込んだ様子は見られず、マネキンに焦げ痕なども見られなかった。
<運転席のドアを開けた場合>
・ドアの先端に複数の放電が見られた。
・雷が車内に入り込んだ様子は見られず、マネキンに焦げ痕なども見られなかった。
このように、仮に雷が車に落ちたとしても、車内の人に何らかの危害が加わる可能性は低いです。
※天井が幌(ほろ)になっている、ソフトトップタイプのオープンカーの場合は例外。
ただし、車の中に金属が露出している部分(ドアノブなど)に手を触れていると、感電する可能性があります。
車に雷が落ちる確率は?
車に雷が落ちる確率ですが、正確な数値は分かりません。ただし、雷が直撃するとすれば電柱、煙突、鉄塔といった高い建造物のため、車に雷が落ちる確率は極めて低いと言って良いでしょう。
ちなみに、7月と8月は落雷による被害件数が、他の月と比べて大幅に増えます。
上の画像は、気象庁が2005年〜2017年の13年間に気象官署から報告のあった落雷害の数をまとめたものです。7月と8月は落雷による被害が多くなり、特に太平洋側では件数が大幅に増えます。
そのため、冬場は雷による被害の心配は少ないですが、夏は天気が荒れやすいため落雷に注意してください。
車に落雷したらエンジンやバッテリーはどうなる?
車に雷が落ちたらエンジンやバッテリー、タイヤなどはどうなるのでしょうか?
結論から言うと、灯火類やパワーウィンドウは問題なく作動します。しかし、エンジンはかからない可能性が高く、車が走行するのは難しいです。
JAFが行った実証実験では、次のような結果が出ています。
【対象車両】
引用:落雷時、車や車内にいる人への影響は?(JAFユーザーテスト)
・ハイブリッド自動車・電気自動車
【検証内容①】
車の直上に雷を落とした後、車は走行が可能なのか?またカーナビや灯火類、エアコンなどの電装品が問題なく機能するのか?
<検証結果>
・ハイブリッド自動車は、エンジンが始動しなかった
・電気自動車は、EVシステムが始動しなかった
・雷の痕跡がタイヤに見られた
・灯火類は問題なく点灯した
・パワーウィンドウは問題なく作動した
【検証内容②】
棒電極の位置を移動させ、雷がフロントガラスやボンネットに落ちるように調整。
それぞれの影響について検証した。
<検証結果>
・フロントガラスに着雷痕がついた・ボンネットに着雷痕がついた
もしも車に雷が直撃した場合、見た目には大きな問題がなくとも、走行ができなくなる可能性が高いです。また、ボンネットやフロントガラス、タイヤには着雷痕がつきます。
そのため、車に雷が落ちたらディーラーや整備工場など、プロの整備士に車を点検してもらうのがおすすめです。
【対処法】もしも車に雷が落ちたらどうすれば良いのか?
もしも車に雷が落ちた場合、エンジンが止まる可能性があります。そのため、車が動く間に安全な場所に停車するようにしてください。
また、車に落雷しても中の人には影響はないので、天気が回復するまでは車内で待機しているのが安全です。
車に落雷したらエンジンが止まる可能性が高いですし、見た目では分からないダメージを受けている可能性もあるので、すぐにロードサービスに連絡してください。契約している保険会社、またはJAFに電話しましょう。
【注意点】落雷中の運転は、高い建造物に注意
落雷の際に危険な場所として挙げられるのが、電柱、煙突、鉄塔といった高い建造物の近くです。
運転中の道路では、電柱や看板といった高い物の近くを走行することがあります。車に雷が落ちる可能性は低いですが、落雷した電柱や看板が倒れて来て、車に当たるかもしれません。
そのため、落雷中はできるだけスピードを落として、高い建造物に注意しながら走行してください。
また、雷雲が近づいていたり、落雷中だったりするときは、できるだけ早く鉄筋コンクリートの建物に退避するのがおすすめです。
運転中の落雷についてのまとめ
- 落雷中は車外よりも車内にいた方が安全
- もしも車に雷が落ちたら、エンジンが動かなくなったりボンネットやフロントガラスに着雷跡が残ったりする
- 落雷中はできるだけスピードを落として、高い建造物に注意しながら運転する
車に雷が落ちる可能性は極めて低く、落雷中は車内にいた方が安全です。もしも、車に雷が落ちたら安全な場所に車を停めて、すぐにロードサービスを呼ぶようにしてください。
この記事の監修者
DUKS 府中店 営業事務
吹浦 翔太
業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。