フロントガラス・サイドガラスのフィルムの車検対応、保安基準を解説

カーフィルムの車検対応については、フロントガラスや運転席・助手席にフィルムを貼る際に注意が必要です。
見た目のカスタムや断熱・UVカットなど、フィルムに機能性を求める人も多いと思います。
しかし、車検を通すには「可視光線透過率70%以上」という保安基準を満たさなければいけません。
道路運送車両の保安基準・第195条にも明記されており、違反すると罰則の対象になります。
今回の記事では、フロントガラスに貼れるフィルムの条件や注意点を、初心者にも分かりやすく解説していきます。
目次
フロントガラスにフィルムを貼っても車検は通る?

フロントガラスにフィルムを貼っても、保安基準を満たしていれば車検に通ります。
保安基準の条件とは、運転中の視界保全の面から「可視光線透過率が70%以上であること」です。
可視光線透過率70%以上であればOK
フロントガラスに貼り付けることができるフィルムは、法律で保安基準が定められています。保安基準については「道路運送車両の保安基準・第195条」において、以下のような記載があります。
道路運送車両の保安基準・第195条
引用:国土交通省|道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2023.6.5】
自動車(二輪自動車、側車付二輪自動車及び被牽けん引自動車を除く。)の前面ガラス等のうち前面ガラス及び側面ガラスのひずみ、可視光線の透過率等に関し、保安基準第29条第3項の告示で定める基準は、次の各号に掲げる基準とする。
一:透明で、運転者の視野を妨げるようなひずみのないものであること。
二:運転者が交通状況を確認するために必要な視野の範囲に係る部分における可視光線の透過率が70%以上のものであること。
「可視光線透過率」とは、「瞳にどれだけ光を取り込むか」という度合いを表すものです。たとえば「可視光線透過率」が0%だった場合、光が全く通らない暗闇の状態になります。
「可視光線透過率」が70%未満だと、視界が暗くなり運転に支障が出るため、車検に合格することはありません。
可視光線透過率70%未満だとどうなる?
「可視光線透過率」をはじめ、保安基準を満たしていない車両には整備命令が出され、改善しない場合は「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」が科せられます。
ちなみにフロントガラスの上部に、色の付いた車を見かけることがあります。フロントガラスは開口部の上部から20%以内の範囲なら、色の付いたフィルムを施工することが許可されています(例:開口部が80cmなら上部16cmまで施工が可能です)。
サイドガラスのフィルムの車検対応はどうなっている?

サイドガラスのフィルムの車検対応について、運転席と助手席の場合はフロントガラスと同様に、可視光線透過率70%以上でないといけません。
フロントガラス、運転席側のガラス、助手席側のガラスの三面にフィルムを貼り付ける場合は可視光線透過率に充分注意してください。
ちなみに、後部座席とリアガラスの場合は保安基準の対象外です。ただし、視界の妨げになるようなカーフィルムを貼ると、事故を起こす危険性があるので気を付けてください。
後部座席の場合はスモークフィルムなど、透明度の低いカーフィルムも使用するのが一般的です。
【注意】新しい車種にはカーフィルムを貼ることができない可能性がある
新しい車種の場合、カーフィルムを貼ることができない場合があります。カーフィルムを貼ることができない理由は、比較的最新の車種は、IR(赤外線)とUV(紫外線)カット効果のある機能を持ち合わせたガラスを使用していることがあるからです。
この機能が備わっているガラスは、可視光線透過率が普通のガラスより低い場合が多く、カーフィルムを貼り付けてしまうと透過率がぐんと下がる可能性があります。そのため、車種によってはカーフィルムを貼るのが難しい場合があります。
カーフィルムの種類はどんなのがある?

カーフィルムにはゴーストフィルムやスモークフィルムなど、様々な種類が存在します。こちらでは、カーフィルムの種類について紹介していきます。
近年ではゴーストフィルム(オーロラフィルム)が人気
近年では、ゴーストフィルム(オーロラフィルム)が人気のカーフィルムになります。ゴーストフィルムとは天候や見る角度によって、青色・紫色・黄色・緑色などの色味に変化するカーフィルムです。
ベタ単一色のスモークフィルムと異なり、ガラス一つでも色んなカラーを見せられるので、オシャレにドレスアップする目的で使用する人がいます。外から見ると暗く見えますが、可視光線透過率も80〜90%以上の物が主流です。
ゴーストフィルムについては、以下の記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
その他のカーフィルムの種類
カーフィルムにはゴーストフィルムのほかに、以下の3つの種類が存在します。
- スモークフィルム
- クリアフィルム
- ミラーフィルム
スモークフィルムは黒色のフィルムで、前述で紹介した車内を覗かれにくくする効果や、陽の光を遮ることによる断熱効果や紫外線カットの効果があります。
クリアフレームフィルムは、視界がクリアながらUVカットに優れており、若干青みがかったのが一般的です。ミラーフィルムはマジックミラーのようなタイプで、外から車内が見えることがほとんどありません。
フロントガラスにカーフィルムを貼るメリット
貼り付けるのに手間がかかるようにも感じられるカーフィルムですが、車のガラスにフィルムを貼ることで得られるメリットが大きいことを忘れてはいけません。
例えば、以下のような効果を得ることができます。
- 断熱効果
- 車内のプライバシー確保
- 車上荒らしの防止
- ガラス飛散の防止
カーフィルムは日光を遮る効果があるので、夏場はクーラーの効き目も良くなり、車内を快適な空間に保ちやすいです。
また、外から車内を見通しにくくしてくれるので、プライバシー保護や車上荒らしの防止にもなります。
カーフィルムの種類やメリットについては、以下の記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
フロントガラスにカーフィルムを貼るときは、プロに依頼するのがベスト
フロントガラスや車両の前方部分のガラスにカーフィルムを貼る際は、ディーラーや専門店などのプロに依頼しましょう。
「カーフィルムくらい自分で貼れるのでは?」と思えますが、意外と大変な作業であり、自分の力で完璧に貼りつけることは難しいです。
カーフィルムをガラスに貼る際、気泡が入らないようにヒートガンを使用します。カーフィルムを貼る前に、ガラス面上を徹底的にクリーニングしたりする必要があるため、素人が行うのは難しいです。
そのためカーフィルムを貼る際は、できるだけプロの業者に任せるようにしてください。
カーフィルムの施工料金はいくら?

カーフィルムを貼る場合、フロントガラスは1万円〜3万円、サイドガラスは1枚あたり5,000円〜1万円程度が相場です。
リアガラスを含めた全部の窓にカーフィルムを貼るとなると、5万円〜10万円ほどになるでしょう。
ちなみにカーフィルムは、安価なものは1万円前後、高級なものだと5万円以上になります。
高性能なフィルムや特殊な施工技術を要求する場合、施工料金はさらに高くなることがあるので注意してください。
また、車種によって料金が異なってきます。たとえば、軽自動車よりも大型車の方が、基本的には施工料金が高いです。
フィルムの種類や店舗で値段が異なるので、詳しい見積もりは実際にプロの業者さんへ問い合わせてみてください。
glass-Dでもカーフィルムの施工を行っています。
glass-Dでも、カーフィルムの施工を行っています。高品質の「JIS規格適合商品」を採用しており、デザイン性と機能性を兼ね備えた高品質のハードコート仕様フィルムで、フィルム面に傷が付きにくく安心です。
無料で見積もりも出しているので、詳しくはglass-dのサイトからご相談、お問い合わせください。

フロントガラスのフィルムの車検対応についてのまとめ
- フロントガラスのフィルムが車検に通るためには、保安基準の「可視光線透過率70%以上」であることが条件
- サイドガラスの場合、運転席と助手席は保安基準の対象、後部座席は保安基準の対象外
- 車のガラスにカーフィルムを貼るときは、ディーラーや専門店に依頼するのがベスト
カーフィルムの車検対応については、見た目や機能性だけでなく、安全性と法令遵守の観点からも、正しい知識を持って選びましょう。
施工は専門業者に依頼することで、仕上がりや車検対応の安心感も得られます。
この記事の監修者
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DUKS 府中店 営業事務
吹浦 翔太
業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。












