車を1週間、2週間、半年以上放置して乗らないとどうなる?

雑学

車を長期間乗らないで放置すると、車両の状態にさまざまなリスクが生じます。たとえば、2週間程度の放置でもバッテリー上がりの可能性があります。

半年以上放置すればガソリンの劣化やタイヤの変形、エアコンの悪臭など深刻なデメリットが現れ危険です。

こうした放置による影響は、車の使用頻度や保管環境によっても異なりますが、放置期間が長くなるほど車両トラブルのリスクは高まります。

今回の記事では、車を乗らないまま放置した場合に起こりうる問題について、期間別に分かりやすく解説します。

車を1週間乗らずに放置するとどうなる?

車を1週間乗らない程度であれば、大きな問題は起こらないと考えて良いでしょう。定期的にメンテナンスされている車であれば、1週間ぶりに車を動かしても大丈夫です。

ただし、バッテリーが極度に古いと、バッテリー上がりを起こす可能性はあります。

また、北海道や北信越地方など寒冷地での冬場では、1週間車に乗らないだけで、バッテリーが上がるかもしれません。

冬は、気温が低くなる影響でバッテリーの液温低下による充電効率が低下したり、エンジン始動時に必要なエネルギーが増えたりするためです。

冬のバッテリー上がりについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。

車を2週間以上乗らずに放置するとどうなる?

車を2週間以上乗らずに放置するとどうなる?

新しいか古いかなど状態にもよりますが、車を2週間〜1ヶ月乗らずに放置するとバッテリーが上がると言われています。

特に真夏や真冬はバッテリーが上がりやすいので、車を2週間放置するだけで、バッテリーが上がってしまうかもしれません。

また、バッテリーが古い状態で真夏や真冬に2週間以上も車を運転しないと、バッテリーが上がるリスクは高くなります。

バッテリー上がりについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。

車を半年以上乗らずに放置するとどうなる?

車を半年以上乗らずに放置するとどうなる?

車を半年ほど乗らずに放置すると、ガソリンが劣化したりタイヤが変形したり、エアコンから強烈な悪臭が出る恐れがあります。

  • ガソリンが劣化する
  • タイヤが変形する
  • エアコンから強烈な悪臭が出る

ガソリンが劣化する

正確な消費期限というものはありませんが、ガソリンを半年以上入れ替えないと、劣化する恐れがあります。

ガソリンスタンドのENEOSによると、ガソリンの保管限度について次のように記載しています。

燃料油(ガソリン等)が劣化しない保管限度はどのくらいですか?

一般的には気温の変化が少ない冷暗所の保管であれば、ガソリンは半年程度、問題ないものと思われます。

ただし、購入から上記期間内の品質を保証するものではありませんので、早めの使用(入れ替え)を推奨します。

※一部省略

引用:ガソリン・燃料油|よくあるご質問|ENEOS

つまり、半年がボーダーラインとなり、車を半年以上放置するとガソリンが劣化する可能性があります。

ガソリンが劣化すると、ガソリンタンクやエンジン内部の腐食など、燃料系統に問題を引き起こすかもしれません。

タイヤが変形する

車を長期間放置すると、タイヤの空気圧が低下していき、変形する恐れがあります。日本自動車タイヤ協会によると、タイヤの空気圧は1ヶ月で5%程度低下すると言われています。

出典:タイヤでエコノミー | タイヤとユーザー| 一般社団法人 日本自動車タイヤ協会 JATMA

半年もタイヤを放置すれば、車が動くことがないので、タイヤの一点だけに車の重さが集中します。

そこに空気圧の低下が加わるため、半年もすればタイヤが変形することは容易に想像できるでしょう。

最悪の場合、タイヤが全て変形してしまい、交換費用が高くなってしまう恐れがあります。

エアコンから強烈な悪臭が出る

半年以上車を放置すると、エアコンを作動させた際に、強烈な悪臭を放つ恐れがあります。というのも、エアコンの内部はカビが生えやすい環境だからです。

たとえば、梅雨の期間や台風の季節に車を放置すると、エアコン内部のエパポレーターにカビが発生してきます。

常に車を運転してエアコンを作動させていれば、カビは生えにくいです(それでも完全には防げませんが)。

車を長期間放置してしまうと、エアコンの内部に残った水分や湿気でカビが繁殖しやすくなります。

そして、久しぶりに車を運転してエアコンを作動すると、車内に酸っぱい・カビ臭い、強烈な悪臭が十万してしまいます。

カーエアコンのニオイについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。

対処法|車を長期間乗らない際の対策

対処法|車を長期間乗らない際の対策

車を長期間運転しない場合でも、放置するのは危険なので、タイヤの空気圧を高めにしたり、ガソリンを満タンにしたりするのがおすすめです。

車を長期間乗らない際の対策

・タイヤの空気圧を高めにしておき、少しだけでも動かしておく
・ガソリンを満タンにしておく
・車内換気を定期的に行う
・バッテリーを充電する
・サイドブレーキの固着を防ぐ

タイヤの空気圧を高めにしておき、少しだけでも動かしておく

車を運転しない場合でも、タイヤの空気圧を高めにしておき、少しだけでも動かしておくようにしてください。

タイヤの一定の箇所にだけ負荷がかかり続けてしまうと、フラットスポット(その部分だけ平らになってしまう状態)ができてしまいます。

一度タイヤにフラットスポットができてしまうと元に戻ることはなく、タイヤ4本全て交換しなければいけない状況もあり得るのです。

タイヤ部分に付いている、「ハブベアリング」にも同様のことが言えます。

ガソリンを満タンにしておく

車を長期間使用しない場合、ガソリンタンクを満タンにしておきましょう。

ガソリンタンク内に空間が多いと、空気中の湿気がタンク内に溜まりやすくなります。空気が溜まると錆が発生して、劣化が進行しやすいです。

ガソリンを満タンにしておくことで、タンク内に空気が少なくなり、湿気の侵入を防げます。

とはいえ、完全にガソリンの劣化を防げるわけではないため、注意してください。

車内換気を定期的に行う

車内は湿気がこもりやすい環境です。換気をしないと、シート内部のスポンジやマットなどにカビが生えて、車内全体に嫌なニオイが付いてしまいます。湿気取りを設置したり、定期的にドアや窓を開けたりして、車内をしっかり換気してください。

バッテリーを充電する

車のバッテリーは微量の電気が常に流れ続けているため、車を長期間放置してしまうとバッテリーが上がってしまいます。バッテリー自体が劣化していれば、数日間の放置でも上がってしまいます。

いざ車を動かすときにバッテリーが上がっていては、車は正常な動きをしません。バッテリーの劣化を防ぐためにも、定期的な充電を行うようにしてください。

サイドブレーキの固着を防ぐ

これは古い年代の車に多いのですが、サイドブレーキを長期間引きっぱなしの状態にし続けると、固着してしまう確率が高くなります。できるだけ輪止めを使って車を動かさないようにし、引きっぱなしの状態を避けてください。

どうしても車に長期間乗れない場合の対策

やむを得ない事情があり、自分で車を動かせない場合は「車の長期保管サービス」を利用しましょう。

たとえば海外に長期間滞在したり、その間車の面倒見てくれる人がいなかったりといったケースが挙げられます。

車の長期保管サービスとは、業者が保有しているスペースで車を保管をするサービスです。タイヤの空気圧チェックや試運転確認、洗車などのサービスを行っています。

値段は業者にもよりますが、1ヶ月15,000円〜30,000円ほどです。室内か屋外か、サービス内容や車種によって価格が変動します。やむを得ない事情で車を長期間放置する場合は、車の長期保管サービスの利用を検討しましょう。

【結論】車は1週間に1度運転した方が維持が楽

車は1週間に1度運転した方が維持が楽

車に長期間乗らないのであれば手放すか、手放さないのであれば、定期的に運転してください。車を手放す気がないのであれば、1週間に1度、ある程度の距離を走行しましょう。

車のような機械物は「ただ置いておく」という状態が、最もコンディションを悪くさせる原因になります。車の品質が上がり、各箇所の耐久性も高くなっているからと言って、放置し続けることは危険です。

また、ただエンジンをかけるだけでは車の初電力が小さいため、バッテリーが上がりやすい状態になっていることになります。

「エンジンだけかけておけば大丈夫。」という考えは危険です。

車は「持っているだけでお金がかかる」というのを覚えておく

自動車税や自賠責保険料などは車種や契約内容にもよりますが、そもそも車を所持している時点で、年間で数万円〜数十万円ほどが車の維持費としてかかってきます。

マンションの駐車場などの私有地に放置している場合、車の維持費と撤去費が必要です。どんな状態であれ自動車税や自賠責保険料、そして2年に1度の車検を受ける時点でお金はかかります。

車を所持しているということは、毎月毎年お金がかかるので、ただ放置しておくというのは勿体ない状況です。定期的に運転して車を動かすか、運転しないのであれば車を売却することを検討しましょう。

車を放置するとどうなるかについてのまとめ

  • 車は2週間~1ヶ月乗らないとバッテリーが上がる恐れがある
  • 車を半年以上乗らないと、ガソリンが腐ったりタイヤが変形したりする
  • 2週間に1度は運転した方が、車の維持が楽になる

車を長期間乗らないで放置すると、バッテリー上がりやガソリンの劣化、タイヤの変形、エアコンの悪臭など、車両にさまざまなリスクが生じます。

1週間程度なら問題は少ないものの、2週間、半年と放置期間が延びるほどデメリットは深刻になります。

車を快適に維持するためには、定期的な運転やメンテナンスが不可欠です。放置せず、車両の状態を意識した管理を心がけましょう。

この記事の監修者

GlassD吹浦先生

DUKS  府中店 営業事務

吹浦 翔太

業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。

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