【緊急時】ジャッキアップのやり方|ジャッキアップポイントの見つけ方も解説
タイヤ交換やメンテナンスは、基本的にはディーラーや整備工場の、プロの整備士にお任せするのが無難です。
しかし、運転中にタイヤがパンクしてスペアタイヤと交換したい場合、また震災などの緊急時では、自分でジャッキアップしてタイヤ交換をするケースが出てきます。
この記事では、ジャッキアップのやり方からジャッキアップを使用する際の確認事項や注意点、ジャッキアップポイントの見つけ方について解説していきます。
目次
ジャッキアップとは、ジャッキを使って車を持ち上げる作業
ジャッキアップとは、「ジャッキ」という道具を使って車を持ち上げる作業のことです。メンテナンスや点検、タイヤ交換をする際にジャッキアップを行います。
作業の流れとして、ジャッキを車体の下に差し込み、ネジの回転や油圧の力を用いて車体を持ち上げます。ジャッキを使えば、力に自信のない人でも車を持ち上げることが可能です。
タイヤ交換などの作業は、基本的にはプロにお任せする
タイヤ交換などの作業は、基本的にはプロにお任せするのがおすすめです。
ジャッキアップは慎重な作業のため、車が少しでも安定性を失うと大惨事になります。また、絞めつけのトルクが適正でないと走行中にタイヤが外れる場合もあります。そのため、一般人よりも車に精通したプロにお任せするのが安心です。
ただし、タイヤが急にパンクしたり、地震や災害などの非常事態の際だったりは、自分でジャッキアップをする機会があるかもしれません。
その場合は、今回紹介する方法を参考にして、慎重に作業をしてください。
ジャッキの種類は「パンタグラフジャッキ」と「ガレージジャッキ」
ジャッキの種類は、「パンタグラフジャッキ」と「ガレージジャッキ(フロアジャッキ)」の2つです。こちらでは、それぞれのジャッキの概要について解説していきます。
パンタグラフジャッキ
パンタグラフジャッキは、軽量・コンパクトで持ち運びしやすいジャッキです。クランク棒などを使い、ネジを回して車を上げ下げします。
あらかじめ車に搭載されていることも多く、女性や腕力があまりない人でも、簡単に車を持ち上げることが可能です。
パンタグラフジャッキのメリットとデメリットは、以下の通りになります。
・軽量でコンパクトなので、持ち運びしやすい
・構造がシンプルで、女性や高齢者でも扱いやすい
・あらかじめ車に搭載されていたり、価格が安かったりする
・ガレージジャッキと比べると、安定性が乏しい
パンタグラフジャッキは軽量でコンパクトなため、その分安定性に乏しいのがデメリットです。平坦な地面以外で使用すると、車が倒れて大怪我する可能性があるので気を付けてください。
ガレージジャッキ(フロアジャッキ)
ガレージジャッキは、油圧式で車の上げ下げが簡単にできるジャッキです。扱いが簡単で、レバーを上下に動かすだけで車体が上がります。また、パンタグラフジャッキよりも安定性に優れています。
その分、パンタグラフジャッキよりもサイズが大きく、重量があるのがデメリットです。
ガレージジャッキのメリットとデメリットは、以下の通りになります。
・扱いが簡単で、レバーを上下に動かして車体を上げる
・安定性に優れている
・サイズが大きく、重量もある
・価格がパンタグラフジャッキよりも高め
持ち運びならパンタグラフジャッキ、自宅で使うガレージジャッキ
ここまで2種類のジャッキについて解説しましたが、持ち運びならパンタグラフジャッキ、自宅で使うならガレージジャッキがおすすめです。
パンダグラフジャッキは軽量・コンパクトで、あらかじめ車に搭載されています。運転中にタイヤがパンクして、スペアタイヤとの交換が必要なときに役立ちます。
ガレージジャッキは、その名の通りガレージ等に保管しておいて、自宅メインで使いましょう。重量はありますが安定性に優れているため、自宅でのタイヤ交換におすすめです。
ジャッキアップを使用する際の5つの確認事項、注意点
ジャッキアップを使用する際の確認事項、注意点は以下の5つが挙げられます。
- 地面が平坦、硬い場所で作業する
- 周囲の状況に気を配る
- エンジンを停止する
- ジャッキアップポイントを確認する
- ジャッキアップしたら、車の下には絶対にもぐらない
地面が平坦、硬い場所で作業する
ジャッキアップは、地面が硬く平坦な場所で作業してください。不安定な地面で作業をすると、ジャッキから車が外れて大惨事になります。
特にパンタグラフジャッキは、安定性に乏しいので気を付けてください。アスファルトやコンクリートなど、地面が硬く平坦な場所で作業しましょう。
周囲の状況に気を配る
運転中にタイヤがパンクして、タイヤ交換の際にジャッキアップを行う場合があります。そのような状況では、路肩など邪魔にならない場所まで車を移動してから、ジャッキアップを行ってください。
また道路上であれ駐車場であれ、ジャッキアップ中は周囲に作業中である旨を伝えましょう。非常点滅灯を点滅させて、三角表示板を設置してから作業をしてください。
エンジンを停止する
ジャッキアップ中は、エンジンを止めてください。エンジンをかけたままジャッキアップを行うと、突然車が動き出す危険性があります。エンジンを停止して、さらに車輪止め(カースロープ)を置くと安心です。
ジャッキアップポイントを確認する
ジャッキを差し込むのは、どこでも良いわけではありません。タイヤの周辺に、ジャッキアップポイントがあります。ジャッキを差し込む際は、必ずポイントを確認してから作業してください。
ジャッキアップポイントを無視して作業を行うと、大惨事になる危険性があります。たとえば、パンク修理中にジャッキが車の重さに耐えられず曲がってしまい、タイヤ交換中に車が倒れて地面に身体を挟まれるといったケースです。
命の危機に関わるので、ジャッキアップポイントは必ず確認してください。
ジャッキアップしたら、車の下には絶対にもぐらない
一般人がジャッキアップをする際は、車の下にもぐらないのがおすすめです。万が一ジャッキが倒れて車の下敷きになると、大怪我をしたり死亡事故に繋がったりします。
車の下にもぐって行う作業が必要なら、ディーラーや整備工場などのプロに依頼するのがおすすめです。
ジャッキアップポイントの見つけ方、確認方法
ジャッキアップポイントの見つけ方や確認方法は、以下を参考にしてください。
一般的には、各タイヤからボディ中央部寄りの車底部端、フレームに切り込みのある部分になります。
ガレージジャッキの場合、一般的には前後の車底にあります。しかし、車種によって場所が異なるため、注意してください。
画像引用元:トヨタ|パンクしたときは(応急用タイヤ装着車)
車載の車ごとの取扱説明書にジャッキアップポイントの位置が載っています。
車種によっては、前輪と後輪の間の車体の下部に逆三角形、または矢印のマークを見つけることができます(画像参照)。
これは「この奥にジャッキアップポイントがある」という意味です。のぞき込むと、プレスラインに切り欠きがある箇所があります。
車種別のジャッキアップポイント一覧について
車種別のジャッキアップポイントの確認方法ですが、TEBRAの「ジャッキアップポイント ハンドブック」からメーカーごとの車両一覧を確認できます。
トヨタ、日産、ホンダ、マツダ、スバルなど、国内の自動車メーカーのジャッキアップポイントについて記載されているので参考にしてください。
参考:TEBRA|ジャッキアップポイント ハンドブック令和2年版
ジャッキアップのやり方、手順
確認事項がクリアできたら、いよいよジャッキアップを行います。こちらでは、パンタグラフジャッキとガレージジャッキごとに、ジャッキアップの手順について解説していきます。
パンタグラフジャッキのやり方、手順
パンタグラフジャッキは、4本のタイヤのうちどれか1本のみを上げて作業します。
パンタグラフジャッキのやり方は、以下の手順で作業を行ってください。
パンタグラフジャッキは、安定性に乏しいです。ジャッキアップポイントと嚙み合わせが悪いと、車体が倒れてくるので注意してください。
ガレージジャッキのやり方、手順
ガレージジャッキのやり方は、以下の手順で作業を行います。作業を行う前に、リジットラック(持ち上げた車体を支えておくための装置)を用意してください。
ガレージジャッキの場合、ジャッキアップポイントは分かりづらいことがあります。作業がスムーズに進まないときは、ジャッキアップポイントが間違っているかもしれません。事故を防ぐ意味でも、車体を下げてから再びジャッキアップポイントを確認してください。
ジャッキアップのやり方についてのまとめ
- ジャッキアップとは、ジャッキを使って車を持ち上げる作業
- タイヤ交換やメンテナンス作業は、基本的にはプロにお任せする
- やむを得ずジャッキアップを行う際は、ジャッキアップポイントを確認して正しい手順で作業する
ジャッキアップは危険を伴う作業なので、できるだけ自分で行わないのがおすすめです。緊急時以外は、ディーラーや整備工場などのプロの整備士にお任せしましょう。
この記事の監修者
DUKS 府中店 営業事務
吹浦 翔太
業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。