タイヤに窒素ガスを入れるのは意味ない?メリットや補充方法を解説
タイヤには、通常の空気よりも「窒素ガス」を補充すると様々なメリットがあることをご存じでしょうか?
タイヤに窒素ガスを補充するのは、もともとはカーレースや航空機が始まりです。タイヤが破裂した際に発火を防ぐのが目的でしたが、普通車のタイヤにもメリットがあるため、現在では、一部のガソリンスタンドやタイヤ専門店等で普通車にも補充することができます。
この記事では、窒素ガスを補充する効果やメリットをはじめ、窒素ガスを補充する方法を解説していきます。
目次
タイヤに窒素ガスを入れる効果やメリット
タイヤに窒素ガスを入れるメリットは、主に以下の4つです。
- 空気が抜けにくくなる
- 空気圧が安定しやすい
- タイヤの寿命が長くなる
- ロードノイズが軽減される
各メリットの詳細は、次項で解説していきます。
空気が抜けにくくなる
窒素は、酸素に比べゴムを通り抜けにくいと言われています。タイヤはホイールと密閉状態ですが、実は、内部の空気はゴムを通して少しずつ抜けています。
酸素は窒素に比べ約3倍も通り抜けやすいため、窒素ガスだけを補充した方が空気が抜けにくくなるのです。
空気圧が安定しやすい
空気が抜けにくくなるということは、空気圧の安定性が向上します。また、空気圧が安定することで、燃費への悪影響を抑える効果が期待できます。
そして窒素ガスは、ほかの物質と化学反応を起こしにくい気体です。タイヤの温度が上昇しても、タイヤ内の空気の体積の変化はほぼありません。
すると、高速道路でタイヤの温度が上昇しても、空気圧が安定したまま走行することができます。また、タイヤバースト(破裂)のリスクも低くなります。
タイヤの寿命が長くなる
タイヤに使用されているスチールワイヤーや金属ホイールは、酸素や水分により酸化してしまいます。
- 空気中の酸素がゴムの隙間から鉄分に触れ、酸化してスチールを劣化させる
- 空気中の酸素や水分がタイヤ内に侵入し、ホイールを劣化させる
酸素がタイヤを劣化させる原因は主にこの2つです。しかし、窒素ガスは生成過程で水分がほとんど除去されているため、スチールワイヤーや金属ホイールの酸化を防ぎ、タイヤの寿命を長持ちさせることができます。
ロードノイズが軽減される
車の走行中にタイヤと路面が摩擦したり衝突したりすることで、ロードノイズ(音)が発生することがあります。
当然、スピードを上げればこの音は大きくなります。 窒素ガスは空気よりも音の伝導率が低いため、ロードノイズが軽減されると言われています。
完全にノイズを消すことはできませんが、ロードノイズが気になる人は窒素ガスを補充してみると良いでしょう。
過度な期待は禁物?乗り心地の良さを劇的には体感できない
タイヤに窒素ガスを補充することで空気圧の変動が少なくなり、ロードノイズが軽減されますが、車の乗り心地が良くなるというデータはありません。
少なくとも「乗り心地の違いが明らかに分かる」という、劇的な体験をできるとは思わない方が良いでしょう。
そのため「タイヤに窒素ガスを入れても意味ないんじゃ?」と思うかも知れませんが、空気が抜けにくく金属部分が劣化しにくいので、タイヤの寿命が伸びるといった効果があります。
タイヤに窒素ガスを補充をする場合は専門店で?自分で?
こちらでは、タイヤに窒素ガスを補充する場合、専門店で行うか自分で行うか、どちらがおすすめなのかを解説していきます。
窒素ガスの補充はガソリンスタンドやタイヤ専門店がおすすめ
窒素ガスの補充は自分でできないこともありませんが、基本的にはガソリンスタンドやタイヤ専門店で行うのが一般的です。
特に初めて窒素ガスを入れる場合、タイヤ内の空気を全部抜いてから補充するため、プロに工程をお任せした方が間違いがありません。
ガソリンスタンドやタイヤ専門店で、窒素ガスを補充する際の料金は「タイヤ1本500円、全部で2,000円」ほどが相場だと思ってください。2回目以降の補充においては、お店によっては料金が安くなるケースもあります。
また、タイヤ専門店によっては、無料で窒素ガスを補充してくれる場合もあります。具体的な費用が気になる人は店員さんに聞いてみると良いでしょう。
自分で補充する場合の手間や料金
専門店でなくとも、窒素ガスを購入して自力で補充することもできます。ただし、自分で窒素ガスを補充するには、ガスボンベや加圧器等の道具を揃えないといけません。これらにかかる費用は、以下の通りです。
- ガスボンベ2㎘:20,000円〜25,000円
- 加圧器等:10,000円
- 合計金額:30,000円〜35,000円
これらに加えて窒素ガスが無くなった場合は、3,000円前後の費用で新しい窒素ガスを補充しないといけません。
最初に窒素ガスを補充する際は、タイヤ内の全ての空気を抜く手間がかかります。料金や工程、窒素ガスを保管する手間を考えると、ガソリンスタンドやタイヤ専門店にお任せするのがおすすめです。
タイヤに窒素ガスを補充する頻度は3~4ヶ月に1回
通常の空気の補充が2〜3ヶ月に1回だとしたら、窒素ガスの場合は3〜4ヶ月に1回の補充が適切です。つまり、通常なら1年に4〜6回補充しなくてはならないのが、窒素ガスであれば3〜4回で済みます。
ただし、走行距離など車の使用頻度で個人差はあります。頻繁に車を運転する人はもう少しこまめに補充する必要があるでしょう。
タイヤに窒素ガスを入れるのは意味ない?についてのまとめ
- タイヤに窒素ガスを入れることで空気が抜けにくくなり、空気圧も安定しやすい
- タイヤに窒素ガスを補充しても乗り心地が良くなるわけではないので、過度な期待は禁物
- タイヤに窒素ガスを入れるのは、3〜4ヶ月に1回でOK
窒素ガスを入れることで、タイヤの寿命も伸びるのでおすすめです。費用が気になる人は、近所の専門店でいくらで補充できるか比較してみてください。
タイヤは消耗品なので、少しでも長い間使用できるよう窒素ガスの補充を考えてみてはいかがでしょうか?
この記事の監修者
DUKS 府中店 営業事務
吹浦 翔太
業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。