車のサブスクとは?メリットやデメリット、車のサブスクが向いている人を解説
テレビCMや広告等で「車のサブスク」を目にすることがあります。一見手軽に利用できるサービスにも思えますが、デメリットも存在するため、契約する前に内容をしっかりと把握しなければいけません。
この記事では、車のサブスクのメリット・デメリットをはじめ、カーリースとの違い、車のサブスクが向いている人について解説していきます。
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目次
車のサブスクとは?
車のサブスク(サブスクリプション)とは、NetflixやAmazon Primeなどの動画サービスと同様に、毎月定額払いをして車を利用するサービスです。
ディーラーなどとサブスク契約を結ぶことで、車を貸し出してもらい利用できます。契約期間中であれば、その車を比較的自由に使用できます。
車のサブスクに含まれている料金
車を購入するには任意保険に加入したり、維持するにはメンテナンス費用がかかったりします。車のサブスクには任意保険やメンテナンス費用といった、車にかかる費用が含まれているのが特徴です。
車のサブスクには、以下の料金が含まれています。
- 車両本体価格
- 自動車保険
- 税金
- 車検
- メンテナンス費用
- 名義登録等の手数料
- カーナビやドライブレコーダー等の付属品
会社や契約内容にもよりますが、以上の料金が含まれているのが一般的です。
契約が満了を迎えるとどうなる?
サブスク契約が満了すると、以下の中から対応を選ぶことになります。
- 返却
- 買取
- 再リース
- 別の新車に乗りかえる
- 費用の負担なしで自分の車にする
満了後の車の取り扱いは、契約内容などにより異なります。
車のサブスクとカーリースに大きな違いはない
車のサブスクと聞くとカーリースを思い浮かべる人もいると思いますが、基本的には大きな違いはありません。
車のサブスクもカーリースも、どちらも毎月定額払いで車を利用するサービスです。
リースとは、料金を支払って物を借りるサービスのことで、契約期間は長期にわたることが一般的です。カーリースを利用すると、月々定額のリース料金で好きな車に乗ることができます。
一方、サブスク(サブスクリプション)とは、月々定額の料金でサービスを利用する権利を得られるというものです。
「車のサブスク」と呼ばれるのは自動車メーカーが運営しているもの、それ以外のもの(中古車も含める)は「カーリース」と呼ばれる傾向があります。
そう考えると、車のサブスクはその自動車メーカーの車しか選択肢はありませんが、カーリースの場合は色んな自動車メーカーの車に乗ることができます。
とはいえ、中古車販売店も「車のサブスク」と呼んでいる場合もあるので、ここら辺は神経質に考えなくても大丈夫です。
車のサブスクは毎月どれくらいの料金がかかる?
こちらでは、車のサブスクの料金について詳しく解説していきます。
車のサブスクは安いと月額5,000円から利用できる
車のサブスクの月額料金ですが、車種はもちろん、新車か中古車かで大きく変わります。たとえば中古車のコンパクトカーの場合は、月額5,000〜10,000円で乗ることができます。
新車であったり大型車両、また高級車であったりすれば、月額50,000円を超えることも珍しくありません。カーナビやドライブレコーダー等の付属品にこだわると、月額料金が高くなってきます。
車のサブスク、一括購入、ローンとの料金比較
こちらでは、トヨタが実施している車のサブスク「KINTO」を参考に、ルーミーを5年間利用した場合の一括購入とローンの比較を表にしてみました。
【ルーミー・5年間】
KINTO | 現金一括払い | 銀行自動車ローン 均等60回払い/5.0%の場合 | |
---|---|---|---|
A:車両代、オプション代 | 利用料に 含まれます | 1,602,800円 | 1,602,800円 |
B:税金、諸費用 ※自賠責・ 自動車税等 | 利用料に 含まれます | 283,690円 | 283,690円 |
C:任意保険、メンテナンス、車検1回 | 利用料に 含まれます | 1,327,360円 | 1,327,360円 |
D:分割払い、手数料等 | 利用料に 含まれます | - | 212,006円 |
E:5年後の下取り参考価格 | - | 480,840円 | 480,840円 |
F:お支払い総額 (5年) A+B+C+D-E | 2,079,000円 | 2,733,010円 | 2,945,016円 |
月々のお支払い額 F÷60ヶ月 | 34,650円 | 45,550円 | 初回:54,016 円 2回目以降:49,000 円 |
出典:比較シミュレーション|【KINTO】クルマのサブスク、トヨタから
こう見ると車のサブスクの方が、一見お得なように見えます。しかし、ここで注意してほしいのは「C:任意保険、メンテナンス、車検1回」です。
任意保険もメンテナンスも車検も、会社や業者、契約内容の選び方次第では安く抑えることができます。節約の仕方によっては、半額近くに抑えることもできるでしょう。そうなると、サブスクよりも現金一括払いの方が安くなる可能性があります。
さらに10年など同じ自動車に乗る期間が長くなれば、現金一括払いや自動車ローンの方が安くなる可能性があります。これは「D:分割払い、手数料等」が、ディーラーローンよりも安い金利で、自動車ローンを組めるケースがあるためです。
そのため車のサブスクを利用する際は、簡潔な比較のシミュレーションだけに頼らず、任意保険・メンテナンス・車検などの維持費も、細かく計算する必要があります。
車のサブスクのメリット
車のサブスクのメリットは、主に以下の4つです。
- 初期費用を抑えられる
- 月々安い費用で車に乗れる
- 最新モデルの車に乗り続けられる
- 費用面で計画を立てやすい
初期費用を抑えられる
車を購入する際は現金一括払いだと多額の費用がかかりますし、自動車ローンの場合は頭金が必要です。また車両本体価格以外にも、税金や販売店手数料、カーナビやドライブレコーダー等の付属品がかかります。
しかし車のサブスクでは、これらの諸費用がかからず頭金なども払いません。そのため、まとまったお金を用意する必要がなく、初期費用を抑えることができます。
※サブスクの場合はカーナビやドラレコを装着すると月額が高くなる可能性がございます。
月々安い費用で車に乗れる
料金の項目でも解説しましたが、車のサブスクは安いと月々5,000円台から利用することができます。ただし新車ではなく中古車であったり、ドライブレコーダー等の付属品が古かったり付いていなかったりする場合もあります。
そのため、新車や付属品にこだわらず「とにかく安く車に乗りたい!」という人は、探せば安い月額料金で車のサブスクを利用することができます。
最新モデルの車に乗り続けられる
車のサブスクには、あらかじめ契約期間が定められています。期間中は契約時に選んだ車に乗り続けて、契約が満了したらサービス会社へ車を返却して、別の車を選んで新しく契約することができます。そのため、常に最新モデルの車に乗ることが可能です。
また、自動車メーカーによっては「乗り換えプラン」の用意があり、契約期間中に最新モデルの車に乗り換えることができます。
費用面で計画を立てやすい
車のサブスクでは税金や車検、メンテナンス費用などが月額料金に含まれています。初期費用はかからず、税金や車検の費用を都度払う手間が必要ないため、車に関する出費が一定になります。
そのため家計や生活費など、毎月かかるコストとして、費用面で計画を立てやすいのがメリットです。
車のサブスクのデメリット
車のサブスクのデメリットは、主に以下の5つです。
- 走行距離に制限が設けられている
- 契約期間中の解約ができない、または解約金がかかる
- 自動車ローンのほうが金銭面の負担が少ない場合がある
- 満了時に高額な費用の支払いが必要になる場合がある
- 車のドレスアップやカスタムができない
走行距離に制限が設けられている
車のサブスクでは、基本的には1ヶ月の走行距離に制限が設けられています。1ヶ月あたり1,000〜2,000kmの設定が一般的です。
設定された走行距離を超えた場合は、追加料金が発生します。そのため、自動車通勤で走行距離が多くなったり、遠くの実家へ帰省したりする場合は、走行距離の制限に余裕があるサービスを利用するのがおすすめです。
契約期間中の解約ができない、または解約金がかかる
車のサブスクでは、契約期間中の解約ができなかったり、解約金が発生したりする場合があります。
そのため、車のサブスクを利用する際は、契約時に「どのくらいの期間、その車に乗るか?」ということを考えて、解約の際の内容についてしっかりと確認するのがおすすめです。
契約によっては、解約金がかからないプランがあったり、契約者の死亡などやむを得ない理由がある場合に、解約金が不要になったりするケースがあります。
自動車ローンのほうが金銭面の負担が少ない場合がある
ケースによっては自動車ローンで車を購入する方が、費用を抑えられる可能性があります。ディーラーローンよりも低金利の自動車ローンを組めた場合、利息が少なくなるため支払総額を抑えることができます。
また、車を売却した際の金額も考えると、トータルでの支出を抑えられる可能性があります。
満了時に高額な費用の支払いが必要になる場合がある
車のサブスクを利用する際、残価を高く設定するとサブスク料金を安くできます。残価とは
、サブスクの契約満了時に残っていると想定される、車の価値のことです。仮に5年のサブスク契約をした場合は、契約時に想定した5年後の価値が「残価」となります。
つまり残価を高く設定すると、契約満了を迎えたときに契約者が費用を多く支払わなければいけません。また、車に傷がついた際など、残価が当初の想定より低くなった場合は、契約者がその差額を支払うことになります。
車のドレスアップやカスタムができない
車のサブスクは、あくまで自動車メーカーから車を「借りている」という形態になり、自分の所有物ではありません。
契約満了時には、原状復帰義務があり、借りた時の状態で車を返さなければならないため、自分好みに車をドレスアップしたりカスタムしたりすることはやめた方がいいでしょう。
元の状態に戻せるカスタマイズなら問題ありませんが、原状回復ができないようなカスタマイズを行う場合は気を付けてください。
車のサブスクが向いている人は、都会暮らしの20代
メリットやデメリットを考慮した場合、車のサブスクが向いている人は、以下のような人です。
・初期費用を抑えたい人
・走行距離を抑えられる人
・車の支払いの管理を楽にしたい
これらを考慮すると、車のサブスクが向いているのは、都会暮らしの20代です。20代だと現金一括払いが難しかったり、自動車ローンを組むのに不安を覚えたりする人が多いと思います。
また、都会暮らしであれば電車通勤ができるため、自動車通勤の必要がなく走行距離を抑えることができます。
そのため、20代のうちは車のサブスクを利用して、収入が上がり結婚で生活環境が変わってきた30代あたりで、自分の車を購入するのがおすすめです。
車のサブスクについてのまとめ
- 車のサブスクとは、毎月定額払いをして車を利用するサービス
- 車のサブスクとカーリースに大きな違いはない
- 車のサブスクが向いている人は、都会暮らしの20代
一見お得に感じる車のサブスクですが、自動車ローンや車検業者の選び方によっては、現金一括払いや自動車ローン利用の方が安くなる場合があります。 また、中途解約ができなかったり解約金が発生したりするケースがあるので、車のサブスクは計画的に利用しましょう。
この記事の監修者
DUKS 府中店 営業事務
吹浦 翔太
業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
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