エンジンオイル交換は上抜きがおすすめ!メリットや下抜きについても解説
エンジンオイルとは、エンジンが正常に動くための潤滑油です。
エンジンには様々なパーツが使用されており、パーツ同士の摩擦でエンジンが劣化しないよう、エンジンオイルが使用されています。
オイルも経年劣化するので、交換をしないとエンジンの劣化や故障につながります。
ここではエンジンオイルの交換方法である「上抜き」と「下抜き」や、それぞれのメリットとデメリットについて解説します。
目次
エンジンオイル交換とは
車のエンジンを正常に動かすためには、エンジンオイルの交換が欠かせません。エンジンオイルには「潤滑」「冷却」「清浄」「防錆」「密封」の、5つの働きがあります。
エンジンオイルは車を運転すればするほど劣化するので、定期的に交換しなければいけません。
エンジンオイル交換のやり方と、交換が必要な目安については以下の通りです。
やり方 :古いエンジンオイルを抜いてから新しいエンジンオイルを投入する
交換の目安:走行距離3,000km〜5,000km、もしくは3ヶ月〜6ヶ月の期間で行う
エンジンオイルの役割については、以下にまとめたので参考にしてください。
【エンジンオイルの主な働き】
潤滑 | エンジン内部の様々なパーツが快適に動くために、摩擦を防いで故障するリスクを下げます。 |
冷却 | 燃料を燃焼することで、エンジン内部は高温になります。 高温になった部分から、エンジンオイルが熱を吸収してオイルパンに戻すことで、オーバーヒートを防止します。 |
清浄 | エンジン内部には、スラッジという汚れが溜まりやすいです。 エンジンオイルはスラッジを吸収して、エンジン内部の不純物を取り除きます。 |
防錆 | エンジン内部は結露が発生するので、水分が金属に付着して錆びないよう、エンジンオイルが金属の表面に膜を張る役割を果たしています。 |
密封 | ピストン部分の隙間をふさいで、エネルギーが外部に漏れないようにしています。 |
エンジンオイルの交換を怠ると、以上の作用が働かなくなるので、定期的な入れ換えが必要です。
エンジンオイルの交換方法は2つある
エンジンオイルを交換するには、まず古いエンジンオイルを抜き取らなければいけません。排出に関しては「上抜き」と「下抜き」の、2通りの交換方法があります。
上抜き
上抜きは「オイルチェンジャー」という専用の道具を使って、エンジンオイルの交換を行います。上抜きのやり方は以下の通りです。
- オイルレベルゲージを抜き出す
- オイルレベルゲージ挿入口から、オイルチェンジャーのホースをオイルパンの底まで押し込んでいく
- オイルチェンジャーでエンジンオイルを抜く
- オイルパン内に残ったエンジンオイルを吸い出す
オイルチェンジャーのホースを押し込むときは、ゆっくりとやさしく行ってください。古いオイルを吸い出すときは、ホースを回転させるなどすると効果的です。
下抜き
下抜きはオイルパン下部にある「ドレンボルト」を外して、古いエンジンオイルを排出する方法です。下抜きのやり方は、以下の通りです。
- 車の下に入り込む
- エンジン下部にあるドレンボルトをメガネレンチで外す
- 古いエンジンオイルが自然落下していくので排出が終わるまで待つ
- 排出が終わったら新品のパッキンに交換してドレンプラグを締める
メガネレンチがあると、ドレンボルトを簡単に外すことができます。注意点としては、ドレンボルトの頭が潰れないようにゆっくりと緩めることと、一気にエンジンオイルが排出されるため汚れ対策を行うことです。
「ジャッキアップ」という、車を持ち上げる道具を使って作業すると、下抜きがスムーズにできます。
ジャッキアップで車を持ち上げたら、オイルが落ちる場所にバケツを置きましょう。
上抜きのメリットとデメリット
ここでは、上抜きのメリットとデメリットについて解説します。
メリット
上抜きのメリットは以下の通りです。
- 作業時間が早くて楽
- 車種によっては上抜きの方がきれいに排出できる
- オイルの汚れに気を遣う必要がない
何といっても魅力的なのが、下抜きに比べて作業時間が早くて楽なことです。
作業工程もオイルチェンジャーを差し込んで抜くだけなので、慣れない人でも簡単にオイル交換ができます。
また、車種によっては下抜きよりも上抜きの方が、きれいにオイルを排出できる場合もあります。
下抜きは、エンジンオイルを床に落下させるので、汚れに気を遣わなければいけません。その点、上抜きはオイルを上から吸い上げるので、極端に汚れを気にする心配もないです。
デメリット
作業時間が早くて簡単にエンジンオイルを抜ける上抜きですが、以下のようなデメリットもあります。
- オイルチェンジャーが必要になる
- 車種によっては、きれいにオイルを排出できない
- オイルの温度が低いと排出しにくい
自力で上抜きする場合、オイルチェンジャーが必要になり、購入するのに5,000円〜10,000円ほどかかります。
オイルチェンジャーには手動式やエア式、電動式などがあり性能が良いほど値段は高いです。
また、レベルゲージの取り回しが複雑だったり、穴の位置が特殊だったりすると、オイルをきれいに抜くのが難しいです。
オイルの温度が低いと硬化して抜きにくいので、事前にエンジンをかけてオイルを温める必要があります。
下抜きのメリットとデメリット
ここでは、下抜きのメリットとデメリットについて解説します。
メリット
下抜きのメリットは、以下の通りです。
- どんな車種でもオイルを排出できる
- オイルフィルターの交換、下回りの点検が同時にできる
上抜きの場合は車種によっては、きれいにオイルを排出するのが難しいです。しかし、下抜きはエンジンオイルを自然落下させるだけなので、どの車種でも排出できます。
国産車の場合は、オイルフィルターがエンジンの下側にあることが多いです。そのため、オイル交換のついでにフィルターも交換したり、下回りの点検が同時にできたりします。
デメリット
下抜きのデメリットについては、以下の通りです。
- 汚れの配慮など手間がかかる
- 慣れない人が行うとトラブルが発生する
下抜きはエンジンの下からオイルを抜くので、エンジンオイルが自然落下します。そのため、床や周囲などにオイルが飛び散らないよう、汚れに配慮しなければいけません。
ジャッキアップを使って作業を行えば、バケツを下に潜らせることもできますが、それも手間です。
また、ジャッキアップは扱い方を間違えると、重大な事故に繋がる可能性があります。
パッキンやワッシャーの交換など作業工程が多いので、慣れない人が行うとトラブルが発生しやすいです。
自分でエンジンオイルの交換をするなら上抜きがおすすめ
結論として、自分でエンジンオイルの交換を行うなら、上抜きがおすすめです。それぞれのメリット・デメリットでの解説をまとめると、上抜きをおすすめする理由は以下の通りです。
- 上抜きの方が作業時間が早くて楽
- 慣れない人でも上抜きの方がエンジンオイルの交換をしやすい
- 下抜きは自分や周囲が汚れるリスクがある
- ジャッキアップやパッキンの交換などは一般人では難しい
オイルチェンジャーの購入は5,000円〜10,000円ほどかかります。しかし、数ヶ月ごとに交換することを考えると、専門店にお願いするよりも自分で交換した方がコスパは良いです。
ただし、車種によっては上抜きに不向きな車両もあります。自分で上抜きをする場合は、購入したディーラーや販売店などに、愛車が上抜きできるか聞いてみましょう。
プロにエンジンオイル交換をしてもらう場合
自分でエンジンオイル交換するのが面倒であれば、プロにお願いしましょう。オイル交換はガソリンスタンド、カー専門店、ディーラーで行っています。
プロにお願いするなら、カー専門店がおすすめです。理由は、専門知識が豊富なスタッフが行い、費用も安いからです。
ガソリンスタンドだとアルバイトが行う場合もあるので、知識に疎いスタッフが対応する可能性があります。ディーラーも専門家が対応しますが、カー専門店よりも費用が高いです。
カー専門店でしたら、2,000円〜3,000円でオイル交換をしてくれて、30分ほどの作業で済みます。
気になる人は、インターネットの口コミや無料見積を確認して、近所のお店を比較してみてください。
エンジンオイルの上抜きについてのまとめ
- エンジンオイルの交換は3ヶ月~6ヶ月のペースで行う
- 自分でエンジンオイル交換する際は「上抜き」がおすすめ
- 自分でエンジンオイル交換をするのが面倒な場合は、カー専門店にお願いをする
エンジンオイルはエンジンを正常に動かすための、血液みたいな役割です。定期的に入れ替えないと、劣化してエンジンの故障に繋がります。
自分でエンジンオイル交換をする場合は、上抜きで古いエンジンオイルを抜いてから、新しいエンジンオイルを投入してください。
この記事の監修者
DUKS 府中店 営業事務
吹浦 翔太
業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。