免許の種類一覧|運転できる車両や取得費用、免許ごとの履歴書の書き方を解説
これから免許を取得しようとしている人はもちろん、すでに免許を所持している方も、その免許でどんな車両を運転できるのか正しく把握できているでしょうか。
たとえば一言で「トラック」と言っても、車両によっては必要な免許が異なります。
また取得した時期によっては、車両の総重量や最大積載量などで、運転できる車両の規定が異なります。
免許取得済みの人も、これから免許を取得する人も、自分の免許でどんな車両を運転できるのか把握しておくと、車選びをする際の参考になるでしょう。
この記事では、免許の種類やどんな車両が運転できるのか、免許の取得資格や取得費用について解説していきます。
目次
免許の種類と運転できる車両
免許には大きく分けて、第一種運転免許と第二種運転免許が存在します。
- 第一種運転免許:自動車や二輪自動車(バイク等)を運転するための免許
- 第二種運転免許:旅客自動車(バスやタクシー等)を運転するための免許
- 仮運転免許:第一種運転免許を受験する人が公道を走るための免許
第二種運転免許は、バスやタクシーの運転手として必要な免許のため、ここでは説明を省きます。
第一種運転免許には様々な種類の免許と、免許ごとに運転できる車両が異なります。免許の種類と運転できる車両については、以下の表にまとめたので参考にしてください。
大型免許 | 中型免許 | 準中型免許 | 普通免許 | 大型特殊免許 | 大型二輪免許 | 普通二輪免許 | 小型特殊免許 | 原付免許 | |
大型自動車 | 乗 | ||||||||
中型自動車 | 乗 | 乗 | |||||||
準中型自動車 | 乗 | 乗 | 乗 | ||||||
普通自動車 | 乗 | 乗 | 乗 | 乗 | |||||
大型特殊自動車 | 乗 | ||||||||
大型二輪 | 乗 | ||||||||
普通二輪 | 乗 | ||||||||
小型特殊自動車 | 乗 | 乗 | 乗 | 乗 | 乗 | 乗 | 乗 | 乗 | |
原動機付自転車 | 乗 | 乗 | 乗 | 乗 | 乗 | 乗 | 乗 | 乗 |
※普通免許は「AT限定」を含む
普通免許で乗れる車両や取得資格と費用
こちらでは、普通免許で乗れる車と取得費用について解説していきます。
普通免許で乗れる車両
普通免許で乗れる車両は普通自動車や原動機付自転車、小型特殊自動車です。
普通免許には、AT(オートマ)とMT(マニュアル)の2種類が存在します。「AT限定」の記載が免許証にある場合、AT限定解除を行わなければMT車を運転できません。
また普通免許は、道路交通法の改正によって運転できる車両の条件が2回変更されました。
免許を取得した時期 | 内容 |
---|---|
2017年3月12日以降 | 車両の総重量:3.5t未満 最大積載量:2t未満 乗車定員:10人以下 |
2007年6月2日~2017年3月11日 | 車両の総重量:5t未満 最大積載量:3t未満 乗車定員:10人以下 |
2007年6月1日以前 | 車両の総重量:8t未満 最大積載量:5t未満 乗車定員:10人以下 |
2007年6月1日までに免許を取得した人は3tトラックや4tトラック、2007年6月2日〜2017年3月11日までに免許を取得した人は、2tトラックを運転することもできます。
取得資格と費用
取得資格は、18歳以上の人であれば誰でも受験することができます。取得にかかる費用は、およそ以下の価格帯が相場です。
MT | AT限定 | |
---|---|---|
自動車教習所 | 25~34万円 | 25~35万円 |
合宿免許 | 20~30万円 | 18~30万円 |
費用に差があるのは、閑散期の方が値下がりし、繁忙期だと値上がりするためです。また、教習所や合宿の宿泊プラン等でも値段は変動します。
ちなみに二輪免許所持者の場合は、5万円ほど取得費用が安くなります。
費用を安く抑えるなら、合宿免許がおすすめです。しかし10日ほど期間が必要なので、長期間休みが取れない人は、自動車教習所の閑散期を狙えば費用を安く抑えられます。
運転免許の取得費用については、こちらの記事で詳しく説明しています!
準中型免許で乗れる車両や取得資格と費用
準中型免許とは、2017年3月12日の法改正で新設された免許区分です。それまでは中型免許取得に運転経歴2年以上が必要でしたが、法改正後は18歳以上であれば準中型免許を取得することができました。
準中型免許で乗れる車両
準中型免許では、車両総重量3.5t以上7.5t未満、最大積載量2t以上4.5t未満の車両を運転することが可能です。2tトラック、3tトラックがこの条件に当てはまります。
2tトラックは「車両総重量が5t未満、最大積載量2t〜3t未満」のトラックです。主に引っ越し業や土木業などの幅広い分野で使われています。
3tトラックと呼ばれている車両は、小型トラックの中でワイド幅のものです。この車両は、3tトラックもしくは2tトラックと呼ばれたりします。
2tワイドロング車と呼ばれ、2t標準幅トラックと4tトラックの中間くらいのサイズ感です。
2tトラックと同様に「小型トラック」に分類されます。これらに加え普通自動車や原付、小型特殊自動車も運転することができます。
取得資格と費用
取得資格は普通自動車と同様に、18歳以上の人であれば誰でも受験することができます。大まかな費用相場は以下の通りになります。
自動車教習所 | 免許なし:36~43万円 MT免許所持者:16~18万円 AT限定免許所持者:17~20万円 |
合宿免許 | 主に免許なしでの参加:38万円 |
普通免許所持なら、教習所に通いながら免許を取得するのがベターです。
中型免許で乗れる車両や取得資格と費用
中型免許は「車両総重量11t未満、最大積載量6.5t未満、乗車定員29人以下」の車両を運転できる免許です。
中型免許で乗れる車両
2tトラックや3tトラックに加えて、大半の4tトラックの運転が可能です。4tトラックとは「車両総重量8t未満、最大積載量5t未満のトラック」で、中型トラックに分類されます。
これに加えて、マイクロバスなどの運転も可能です。そして、準中型自動・普通自動車・車・原付・小型特殊自動車の運転もできます。
取得資格と費用
取得資格は普通免許や中型免許と違い、20歳以上で普通免許の運転経歴2年以上が条件です。免許の費用は、主に以下の通りになります。
- 準中型免許所持:14~16万円
- MT普通免許所持:17~20万円
- AT限定普通免許所持:19~22万円
合宿免許の場合は、2〜3万円ほど費用を抑えることができます。もしも時間を長期間とれるなら、合宿免許を申し込みましょう。
大型免許で乗れる車両や取得資格と費用
大型免許は「車両総重量11t以上、最大積載量6.5t以上、乗車定員30人以上」の車両を運転できる免許です。
大型免許で乗れる車両
大型免許を取得すると、ダンプカーや30人以上が乗れる大型バスなどを運転することができます。
ただし、大型バスでの旅客自動車の場合は、第二種免許が必要なので注意してください。
取得資格と費用
取得資格は普通免許や中型免許と違い、21歳以上で普通免許の運転経歴3年以上が条件です。
大型免許の場合は、大型バスなど旅客自動車を運転するケースが多いので、第一種と第二種に分けて費用を紹介します。
・準中型免許所持:25~28万円
・MT普通免許所持:29~33万円
・AT限定普通免許所持:33~35万円
・MT普通免許所持:38~40万円
・中型免許所持:31~33万円
・大型第一種免許所持:26~28万円
・普通第二種免許所持:28~33万円
大型免許にも合宿免許があります。費用は5万円ほど安くなるので、2週間程度の時間を作れる人は、合宿免許での参加がおすすめです。
大型・小型特殊免許で乗れる車両や取得資格と費用
特殊自動車でも、大型と小型で免許が異なり、運転できる車両も違います。
大型・小型特殊免許で乗れる車両
大型特殊免許の場合は大型特殊自動車に加えて、小型特殊自動車や原付を運転することができます。小型特殊免許の場合は、小型特殊自動車しか運転できません。
大型・小型特殊免許で乗れる車両は、以下の表を参考にしてください。
大型特殊自動車 | 全長:12m以下 全幅:2.5m以下 全高:3.8m以下 車種:ショベルカー、ダンプカー、ホイールローダーなど |
小型特殊自動車 | 全長:4.7m以下 全幅:1.7m以下 全高:2.0~2.8m 最高速度:15km以下 車種:農耕用トラクター、フォークリフトなど |
作業現場などで大型特殊自動車を運転する場合は、建設機械整備技能士などの免許が必要になります。
取得資格と費用
免許取得資格は大型特殊の場合は18歳以上、小型特殊の場合は16歳以上です。
小型特殊の免許は、運転免許試験場や運転免許センターで適性検査・学科試験・乗り方講習を受けて、合格すれば免許の交付を受けられます。
免許の取得費用は3,550円(受験料1,500円+免許証交付料2,050円)です。
小型特殊免許・小型特殊自動車については、以下の記事でも詳しく解説しています!
大型特殊の場合、免許取得の費用は以下を参考にしてください。
・免許所持なしor原付免許の所持者:17~20万円
・普通免許以上の所持者:7~10万円
・二輪免許所持者:11~15万円
大型特殊も合宿免許だと、3万円ほど費用を安く抑えられます。
大型・普通二輪車免許で乗れる車両や取得資格と費用
一般的に「オートバイ」と呼ばれる車両です。大型と普通二輪車では、取得資格や費用が異なります。
大型・普通二輪車免許で乗れる車両
運転できるバイクについてですが、普通が排気量400cc以下、大型は排気量400ccを超える車両になります。それに加えて、どちらも原付・小型特殊自動車の運転が可能です。
また普通免許と同様に、大型・普通二輪ともに「AT限定」があり、普通二輪には「小型二輪限定」の免許が存在します。
取得資格と費用
取得資格は、大型の場合は18歳以上、普通の場合は16歳以上の年齢が条件です。
教習所で免許を取得する際の費用は、以下が相場になります。
・免許所持なしor原付免許の所持者:22~25万円
・普通免許以上の所持者:16~18万円
・普通二輪MT免許所持者:9~12万円
・免許所持なしor原付免許の所持者:14~16万円
・普通免許以上の所持者:8~10万円
大型・二輪自動車ともに合宿免許があり、費用は5〜6万円ほど安くなります。普通免許などと同様に一発試験もできますが、教習所や合宿で技術を身に付けてから受験した方が受かりやすいです。結果としてトータルの費用を安く抑えることができます。
原動機付自転車で乗れる車両や取得資格と費用
原動機付自転車で乗れる車両は、排気量が50cc以下のいわゆる原付バイクだけです。運転免許試験場や運転免許センターにて、8,050円の費用で1日あれば免許の取得が可能です。
取得条件や費用については、以下を参考にしてください。
- 年齢:16歳以上
- 排気量:50cc以下
- 費用:8,050円(受験料:1,500円/講習料:4,500円/免許証の交付手数料:2,050円)
牽引免許
大型自動車、中型自動車、普通自動車、大型特殊自動車」で、50kgを超える車両(トラックの荷台など)を、牽引する場合に必要な免許です。
トラックを運転する人は、大型免許などと合わせて取得する場合が多くなります。
取得資格は、18歳以上の普通免許以上の免許を所持している人です。費用は12〜15万円で、運転免許センターや運転試験場の費用4,650円(申請手数料2,600円、免許証交付料2,050円)が別途必要になります。
普通自動車免許など、免許の種類による履歴書の書き方
こちらでは普通自動車免許など、免許の種類による履歴書の書き方について解説していきます。
免許の種類による履歴書の書き方
大型、中型、準中型、大型特殊などの免許は、仕事や就活のために取得することが多いです。第二種運転免許も、タクシーやバスなどの旅客車両を運転するために取得します。
こちらでは就活で免許を取得した人のために、免許の種類による履歴書の書き方をまとめたので参考にしてください。
【第一種免許】
免許の種類 | 履歴書の書き方 |
---|---|
大型免許 | 大型自動車免許 取得 大型自動車第一種運転免許 取得 |
中型免許 | 中型自動車免許 取得 中型自動車第一種運転免許 取得 |
準中型免許 | 準中型自動車免許 取得 準中型自動車第一種運転免許 取得 |
普通免許 | 普通自動車免許 取得 普通自動車第一種運転免許 取得 普通自動車第一種運転免許(AT限定) 取得 |
大型特殊免許 | 大型特殊自動車免許 取得 |
大型二輪免許 | 大型自動二輪車免許 取得 大型自動二輪車免許(AT限定)取得 |
普通二輪免許 | 普通自動二輪車免許 取得 普通自動二輪車免許(AT限定)取得 普通自動二輪車免許(小型二輪限定)取得 普通自動二輪車免許(小型二輪・AT限定)取得 |
小型特殊免許 | 小型特殊自動車免許 取得 |
原付免許 | 原動機付自転車免許 取得 |
牽引免許 | 牽引免許 取得 |
【第二種免許】
免許の種類 | 履歴書の書き方 |
---|---|
大型免許 | 大型自動車第二種免許 取得 |
中型免許 | 中型自動車第二種免許 取得 |
普通免許 | 普通自動車第二種免許 取得 |
大型特殊免許 | 大型特殊自動車第二種免許 取得 |
牽引免許 | 牽引第二種免許 取得 |
普通自動車免許の履歴書の書き方
「普通免許で乗れる車両や取得資格と費用」でも解説しましたが、免許を取得した年月によって、車両総重量が異なります。
たとえば2007年6月2日〜2017年3月11日までに取得した普通自動車免許は、車両総重量5.0t未満限定の準中型自動車免許として扱われています。
履歴書に「普通自動車免許 取得」と書いてしまうと、現行制度での普通自動車免許と勘違いされるかもしれません。
運転免許の厳密な区分を必要とする職種に応募する場合、2007年6月2日〜2017年3月11日に普通免許を取得した人は「普通自動車(現5t限定準中型)第一種免許 取得 」と記載しましょう。
これは現行制度では、「車両総重量5.0未満限定の準中型自動車免許になっている」ということを示す書き方です。
免許の種類についてのまとめ
- 免許の種類には大型、中型、準中型、普通、大型特殊、大型二輪、普通二輪、小型特殊、原付、牽引がある
- 安い費用で免許を取得したいなら、合宿がおすすめ
- 就活でアピールしたい場合は、免許の種類ごとに履歴書の書き方を覚えておく
今回は免許の種類と運転できる車両について、詳しく解説しました。取得が必要な免許があれば、ぜひ参考にしてください。
この記事の監修者
DUKS 府中店 営業事務
吹浦 翔太
業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。