フロントガラスに飛び石でヒビ・傷が入ったら車検は通らない?通る?

修理・修復

車のフロントガラスは、進行方向の視界を確保するための重要なパーツです。車に乗る人の安全を確保するためのフロントガラスに、飛び石などの衝撃や落下物によって傷がついてしまった場合、車検を通すことはできるのでしょうか。

今回は、フロントガラスに飛び石傷やヒビがある状態で車を車検に通せるか?ということについて解説していきます!

【車検の合否基準】フロントガラスのヒビ・傷はどこまでOK?

フロントガラス車検の合否基準

飛び石の傷で車検と通るか通らないかは、ケース・バイ・ケースで検査官次第な場合もあります。

フロントガラスの保安基準から、車検検査官の判断について解説していきます。

フロントガラスの保安基準

フロントガラスにまつわる保安基準は、ドライバーの視界が確保できる状態であること、ガラスが容易に貫通されない強度を維持していることなどが挙げられます。

これは、道路運送車両保安基準の第195条に記されている、「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」で定められています。

  • ドライバーの視界が確保できる状態であること
  • 前面・側面ともに透明で、視界を妨げる歪みがないこと
  • ガラスが容易に貫通されない強度を維持していること

飛び石でできたフロントガラスのヒビが、「視野の確保に影響を与える。」と判断されれば、車検に通ることは難しいでしょう。

また、飛び石でフロントガラスに傷ができると、強度が下がってしまいます。そのため、「ガラスが容易に貫通されない強度を維持していること」という基準をクリアできません。

車検検査官の判断次第なところもある

フロントガラスの保安基準ですが、具体的な数値が定められているわけではありません。

保安基準をもとに検査官が判断するので、車検に通るかどうかは検査官次第なので、ケース・バイ・ケースです。

ただしフロントガラスに傷があると、運転に支障をきたして事故を起こす危険性が高くなります。

車検に通らないフロントガラスの傷・ヒビとは?

車検検査官の判断次第とはいえ、フロントガラスにできたヒビは、傷の「大きさ」や「場所」が重要な判断基準になります。

具体的には、次の2つは車検に通らない可能性が大きいです。

  • 20cm以上のヒビ
  • 傷の大きさが10円玉(2.3)cm以上
  • 運転席側にヒビ・傷がある

たとえば、フロントガラスのヒビが20cm以上の大きさの場合は、車検に合格しないと言って良いでしょう。

また10円玉よりも小さい傷でも、運転席側に傷が入っていると「ドライバーの視界を妨げる」と判断され、車検に通らない可能性があります。

何がどう判断されるかは検査官の判断によるので、「飛び石の傷でも車検が通った。」「フロントガラスにヒビがあったけど車検が通った。」となるケースも、なくはありません。

しかし、車検は車の安全を保つためのものなので、厳しく判断されるのが妥当だと理解しておいてください。

フロントガラスにできた飛び石の傷・ヒビは早めの対応を

フロントガラスにできた飛び石の傷・ヒビは早めの対応を

フロントガラスにできた飛び石の傷やヒビは、小さい傷であろうが放置することで悪化するため早めの対応が必要です。

傷が小さい場合は保護フィルムで応急処置

傷の大きさが1cm未満だったり、助手席側に傷が入っていたりして運転に支障がない場合は、保護フィルムを貼るなどし応急処置をします。

しかし、放置しておくと、走行中の振動によって傷が広がることもありますし、傷に汚れ溜まってしまった場合は、リペアをしても傷跡が残りやすくなってしまいます。

応急処置は必要ですが、その後の修理も重要です。

フロントガラスにできた飛び石の傷・ヒビの応急処置に関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。

飛び石の傷による修理とリペア料金

飛び石の傷が10円玉以上の大きさだったり、運転席側に傷ができて視界の妨げになったりする場合は、修理が必要です。

フロントガラスにできた飛び石の傷やヒビは、ディーラーや専門店などのプロにお任せしましょう。リペア料金は傷の大きさや深さにより、1万円〜2万5千円ほどします

フロントガラスの修理に関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。

飛び石の傷やヒビがひどい場合はガラス交換が必要

飛び石の傷やヒビがひどい場合はガラス交換が必要

傷の大きさが10円玉以上だと、ガラスごと交換になる可能性が高いです。また傷やヒビの位置によっては、修理よりも交換になります。

デフロスターの吹き出し口の近くや、自動ブレーキなどセンサーの近くに傷がある場合は、ガラス交換になる可能性が高いです。

ガラス交換の料金は車の種類やガラスの種類にもよりますが、4万円〜15万円ほどになります。たとえば普通車で純正品のガラスを使用した場合は、8万円〜15万円ほどです。車が大きいほど、値段は高くなります。

フロントガラスの交換に関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。

フロントガラスの修理・交換の場合は複数のお店から見積もりをとる

フロントガラスの傷を直す場合、必ず複数のお店から無料の見積もりをもらってください。基本的にはディーラーよりも専門店の方が、料金が安くなる傾向です。

見積もりをもらって料金やサービスを比較するのはもちろんですが、実際にお店に足を運んで、内容に納得がいかないようなら思い切ってほかのお店にも相談してみましょう。

飛び石の傷は車両保険を使えるがおすすめしない

フロントガラスに飛び石の傷やヒビができた場合、車両保険を使うことができます。しかし、車両保険を使って傷を直すのは、基本的にはおすすめできません。

理由は翌年度の保険等級が1ランク下がり、保険料が上がるからです。そのため、補填費用よりも支払保険料の方が多くなり、かえって損をする場合があります。

また「免責金額」が設定されている場合、ガラスの交換費用が全額補償されると限りません。

そのため、保険を適用するかどうかは、担当者と相談して慎重に決めるようにしてください。

車両保険の適用に関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。

飛び石を防止するには

飛び石による被害を完璧に防ぐのは不可能ですが、できるだけ被害に合わないためには、前方の車間距離を長くとるよう意識してみてください。

特に高速道路では飛び石の被害を受けやすいです。これは、走行速度が速いほど石を高く跳ね上げやすいからで、スピードが出ている分ダメージも大きくなります。

また、トラックなどの大型車両は、重量の重さもあるので、さらに石を跳ね上げやすいので、後ろを走っているとより被害を受けやすくなります。

飛び石以外でフロントガラスにヒビ・傷ができるケース

フロントガラスにヒビや傷ができる原因は飛び石だけではありません。急激な温度変化や洗車傷、ワイパー傷などでも、フロントガラスにヒビや傷ができます。

  • 凍結したフロントガラスに熱湯をかける
  • 洗車傷
  • ワイパー傷

例えば、急激な温度変化が影響することがあります。冬場に熱湯をかけて氷を溶かそうとすると、ガラスが急激に膨張し、ヒビが入ることがあります。

洗車傷も、フロントガラスのダメージの一因です。硬いブラシや汚れたスポンジを使用すると、ガラス表面に細かい傷がつくことがあります。

さらに、ワイパーの劣化による傷も見逃せません。ワイパーゴムが摩耗すると、ガラス表面を削り、細かい傷が蓄積されることがあります。

洗車傷やワイパー傷については、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。

【Q&A】フロントガラスのヒビ・傷と車検について、よくある質問

こちらでは、フロントガラスのヒビ・傷と車検について、よくある質問を解説していきます。

Q
飛び石で車検が通る範囲は、どれくらいですか?
A

場所が運転席側、ヒビの長さが20cm以上、傷の大きさが10円玉(2.3cm)ほどでなければ、車検に通る可能性があります。

Q
フロントガラスの飛び石は、何cmまでなら直せますか?
A

ヒビの大きさが10円玉ほど、2.5cmほどのサイズであれば、きれいに修復できる可能性が高いです。

フロントガラスの飛び石傷は車検に通るかのまとめ

  • フロントガラスに飛び石の傷がある場合、車検を通るかは検査官次第
  • フロントガラスにできた飛び石の傷やヒビは早めに対応をする
  • 飛び石の被害を防止するには車間距離を十分に空ける

飛び石の被害に合わないために神経質になる必要はありませんが、快適なカーライフのためにもフロントガラスのヒビ割れには日頃から注意し、万一傷ついてしまった時には早めに修理へ出すようにしましょう。

この記事の監修者

GlassD吹浦先生

DUKS  府中店 営業事務

吹浦 翔太

業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。

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