中古車のメンテナンスについて 車の寿命を伸ばすには積極的な点検を

メンテナンス

中古とはいえ車は高い買い物なので、できるだけ長い間乗りたいものです。中古車は新車よりも消耗が激しいため、しっかりとメンテナンスをして故障を未然に防いでください。

今回紹介するメンテナンスは、自分でも行えます。そのほか新車とのメンテナンスの違いや、中古車購入後のメンテナンスタイミングに関しても解説するので参考にしてください。

中古車のメンテナンスの重要性

車は消耗品でありメンテナンスをこまめに行うことで、安定した運転ができたり車の寿命を伸ばしたりできます。中古車は新車よりも消耗が激しいので、日常点検や法定点検を行い、車に不具合がないかチェックするのが重要です。

ひとつでもパーツが故障すると、多額の修理代を払わなければいけません。年式が古かったり走行距離が長かったりする車は、特に故障のリスクが高いです。定期的にメンテナンスを行うことで、パーツの故障を未然に防ぐことができます。

中古車と新車のメンテナンスの違い

中古車と新車のメンテナンスの違いに関しては、以下の通りです。

中古車新車
●メンテナンスを行う場合は自分で業者を探さなければいけない事もある
●アフターケアサービスがないので自分でメンテナンスを行う
●購入したディーラーに全てのメンテナンスを任せられる
●「6ヶ月点検」など各自動車メーカーで充実のアフターケアサービスがある

基本的に中古車のメンテナンスに関しては自分で業者を探さなければいけないことが多いです。

新車の場合は、各自動車メーカーが行っているアフターケアサービス(通称:6ヶ月点検)を受けられます。購入後6ヶ月以内なら無料で、6カ月を経過しても4,000円〜8,000円でメンテナンスでき、費用も安く済みます。

一方、中古車の場合はアフターケアサービスがなく、法定点検でメンテナンスをします。

ディーラーや専門店にお願いすると、15,000円〜25,000ほどの点検費用が必要です。

購入時に「整備記録簿」を確認できると安心

中古車を購入するときは、販売店で「整備記録簿」のチェックを行いましょう。整備記録簿とは、その車の過去の点検結果です。ディーラーや専門店が、定期点検(法定点検など)でメンテナンスした内容が記録されており、交換した部品もひと目で分かります。

販売店ではメンテナンスノートや保証書と合わせて、整備記録簿が保管されているケースが多いです。

ただし、前のオーナーが整備記録簿を紛失していたり、定期点検を受けていなかったりする場合もあります。全ての中古車に、整備記録簿があるとは限らないことは承知しておいてください。

中古車購入後のメンテナンスタイミング

中古車を購入する前に、販売店でメンテナンスが行われているので、購入後すぐにメンテナンスをする必要はありません。基本的には法定点検や車検のタイミングで、車の状態を確認してください。

法定点検は受けなくても罰則はありませんが、中古車の場合は点検した方が故障のリスクを防げます。

費用も普通自動車だと「法定12ヶ月点検」が15,000円前後、「法定24ヶ月点検」が25,000円前後です。点検を怠ると、パーツが故障する可能性が高くなります。パーツ交換には、数万円〜数10万円の費用が必要です

法定点検をする際は、複数のディーラーや専門店から無料見積をもらって、サービス内容を比較してください。

法定点検に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。

車の定期点検のペースは?車検と法定点検の違いも解説

自分でもできる中古車のメンテナンス項目と整備内容

中古車のメンテナンスは法定点検の際に、ディーラーや専門店で行うのが一般的です。しかし、日常点検により自分でもメンテナンスはできます。

セルフメンテナンスする際の項目と、整備内容は以下の通りです。

  • エンジンオイルとオイルフィルター
  • タイヤ
  • ブレーキオイル
  • エアクリーナー
  • エアコン

エンジンオイルとオイルフィルターのメンテナンス

エンジンオイルとオイルフィルターの点検は、中古車のメンテナンスでも重要な項目のひとつです。

エンジンオイルが劣化すると粘度が増し、エンジンが壊れやすくなります。オイルフィルターはこのオイルをろ過して汚れを取ってくれますが、汚れた状態が続くとオイルの劣化につながります。

エンジンオイルは半年、もしくは走行距離5,000キロごとに交換してください。オイルフィルターは1年、もしくは走行距離10,000キロごとの交換が目安です。

タイヤのメンテナンス

タイヤに関しては、空気圧や溝のチェックを1ヶ月に1回のペースで行いましょう。ガソリンスタンドに行けば、空気圧の点検ができます。

空気圧チェック用の専用タンクや、エアコンプレッサーを借りて状態をチェックしてください。空気圧が低下していれば、ガソリンスタンドにある「空気充填機」で空気を補充できます(置いていないスタンドもあるのでご注意を)。

またタイヤは摩耗しやすいので、溝が減ってきたら交換のタイミングです。スリップサインが出ていたり、目に見えて傷ついていたりする場合は、ディーラーや専門店で交換してください。

ブレーキオイルのメンテナンス

ブレーキオイルは、ブレーキを安全に作動させるための潤滑油です。車のブレーキは油圧式なため、ブレーキオイルが劣化するとブレーキの効き具合が悪くなります。

ブレーキオイルは吸湿性が高いことから、水分が多くなると周辺機器が錆びる原因になります。

基本的には4年に1回の交換が目安なので、法定点検やタイミングが重なるときは、そのときに交換するのがおすすめです。

エアクリーナーのメンテナンス

エアクリーナーは、エンジンに取り込む空気をろ過する部品です。フィルターが汚れていると、エンジンに取り込む空気に異物が混じってしまい、エンジンが正常に作動しません。

またフィルターが汚れていくと、シリンダーやピストンの消耗などが生じます。燃費が悪くなる原因にもなるので、2年に1回の目安で交換してください

エアコンのメンテナンス

車のエアコンも自宅のエアコンと同様に、花粉やホコリの侵入を防ぐフィルターがついています。フィルターが汚れたままだと、カビの発生や悪臭がして、運転中に気分が悪くなります。

フィルターはもちろん、エアコン内部の「エバポレーター」と合わせて掃除すれば、車内の空気を清潔な状態で保てます。

季節の変わり目など、1年に4回クリーニングするのがおすすめです。フィルターは、1年に1回のペースで交換しましょう

エアコンのクリーニングに関しては、以下の記事で詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。

カーエアコンのクリーニングを自分で行う方法|エアコンの仕組みを合わせて解説

1ヶ月に1回の日常点検も忘れずに

中古車に限らず、全ての車には1ヶ月に1回の日常点検を推奨しています。以下の項目を、定期的に点検してください。

【外点検の項目】

項目確認箇所
タイヤ傷や空気圧、溝の深さのチェック
ランプ全てのランプが正常に点灯・点滅するか
ワイパーワイパーブレードやラバが損傷していないか
ガラス傷がついていないかどうか
液体ウインドウウォッシャー液、バッテリー液、冷却水の残量確認

【内点検の項目】

  • エンジンのかかり具合がスムーズか
  • ブレーキペダルの踏み応えに普段と違和感がないか
  • ハンドブレーキの引きしろが多すぎたり少なすぎたりしないか
  • アクセルペダルに引っかかりがないか
  • ウィンドウがスムーズに動くか

車の日常点検に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。

車の日常点検って何?目的と方法、必要な頻度を解説

最後に

新車と比べると、中古車は点検の手間や費用がかかりますが、安全に走行するためにメンテナンスは欠かせません。

罰則がないとはいえ、法律で義務付けられている法定点検を行えば、車の寿命が長くなる可能性が高くなります。定期的な点検を心がけ愛車と長い付き合いをしましょう。

この記事の監修者

GlassD吹浦先生

DUKS  府中店 営業事務

吹浦 翔太

業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。

インタビュー記事

ピックアップ記事

関連記事一覧