リアガラスが突然割れる?考えられる原因と割れてしまったときの対処方法
車に使われているガラスは、比較的丈夫に作られており、衝突やいたずらなどの人為的な衝撃がなければ割れるということは少ないです。
しかし、ふとしたときに突然リアガラスが割れてしまうことがあります。
今回は、なぜリアガラスが突然割れるのか、その原因と対処方法について解説していきます。
目次
リアガラスは突然割れてしまうことがある
リアガラスは、ある日突然割れることがあります。とは言っても、粉々に飛び散るわけではなく、クモの巣のようなヒビ割れ程度の割れ方をしている場合がほとんどです。
車のリア部分のガラスには「強化ガラス」というガラスが使用されています。
強化ガラスは普通のガラスを強化しており、650℃以上でガラスを加熱し、両面に空気を一様に吹き付け急冷したガラスです。
表面の圧縮応力の効果で、ガラスを破壊しようとする外からの力に耐え、普通のガラスよりも強度が高くなっています。そのため、時速何十kmを出す車の運転にも耐えることが可能なのです。
では、なぜその強化ガラスが突然割れてしまうのでしょうか?
リアガラスが割れる原因
リアガラスが突然割れる原因は、以下の3つが考えられます。
- 熱割れ
- 小さな傷の伸展
- 走行中の風圧の変化
こちらでは、これらの原因について詳しく解説していきます。
熱割れ
熱割れとは、ガラスが熱を受けることによって突然ヒビが入ってしまう現象です。これは、極端な温度差が生じたときに起こります。特に、外の空気と車内の温度差が大きくなったときに発生しやすくなります。日常生活で例えるなら、冷えたグラスに熱湯を注いだときにグラスが割れるのと同じ現象です。
特に冬になるとこの現象が起きやすくなります。寒い時期に強い日光を受けている部分と受けていない部分が長時間続く場合は注意してください。
熱割れの対処方法や予防については、以下の記事で詳しく解説しています。
小さな傷の伸展
リアガラスの断面は「引張応力層」を挟むようにして「圧縮応力層」が存在します。圧縮応力層を突き抜け、引張応力層にキズが達するとガラスは割れてしまいます。
しかし、圧縮応力層にキズが留まっているからといって安心はできません。圧縮応力層で止まっているキズが、外からの力により内部の引張応力層まで徐々に広がってしまうと、ガラスは破損します。
走行中の風圧の変化
圧縮応力層で止まっているキズが、外からの力により内部の引張応力層まで徐々に広がってしまう現象は走行中の風圧の変化で起こります。
たとえば、小さい風圧がいきなり大きくなったときなどです。
水槽に小さな傷が入っている状態で、大きな水圧が加わると水槽は破裂してしまいます。これと似たような現象が起きると考えてください。
リアガラスが割れたまま走行しても大丈夫?
リアガラスが割れた状態のまま、公道を走行すること自体は可能です。しかし、割れた傷を放置すると、ガラスの状態が悪化します。ガラスが粉々になって飛散したり、ガラスの破片をまき散らしたりすることがあり危険です。
また、リアガラスが割れたまま公道を走行すると、警察に検挙される可能性があるので気を付けてください。
リアガラスが割れているのを発見したら、応急処置をしてから、ディーラーや整備工場等へすぐに修理へ出してください。
リアガラスが割れた状態で放置し、長距離・長時間の運転はしないようにしましょう。
リアガラスが割れたときの応急処置
リアガラスが割れたときの応急処置は、傷の部分を塞ぐことです。段ボールやビニールシートを使って、割れた箇所を塞ぎましょう。
割れた箇所を塞いで、傷が広がるのを防いだり、雨風が侵入するのを防いだりすることが大切です。
リアガラスが割れた際の応急処置については、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
リアガラスが割れたときの修理代・交換費用
リアガラスが割れたら、必ずディーラーや専門店へ交換をお願いしてください。
リアガラスや車のガラスに傷ができたときの修理費用、割れたガラスの交換費用は以下の通りです。
修理費用 | 交換費用 | |
---|---|---|
普通自動車 | 30,000円〜50,000円 | 50,000円〜100,000円 |
軽自動車 | 20,000円〜50,000円 | 50,000円〜70,000円 |
※費用はあくまで目安です。
※傷の状態や車種によって費用は変わります。
※この費用に関して、フロントガラスは対象外です。
リアガラスを修理、交換する際は、必ず事前に見積もりをもらいましょう。複数の業者から無料見積をもらって、サービス内容や料金を比較してください。
リアガラスが割れたときの疑問・質問
こちらではリアガラスが割れたときの、その他の疑問・質問について解説していきます。
「ない」とは言い切れません。
応急処置をしていて修理に向かう間であれば、検挙されることは低いと考えられます。ただし応急処置もせず、傷が広がっていく状態で運転をすると「整備不良の車を運転」と見なされて、検挙される可能性があります。
できますが、おすすめできません。
傷の状態にもよりますが、リアガラスが割れたときは自動車保険を使って、修理代をカバーすることができます。しかし、等級が1ランク下がり保険料が上がってしまいます。結果的に、修理代よりも多くの保険料を払って、トータルで損をする可能性があります。
車のガラスの修理に関する保険適用は、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
リアガラスが突然割れるについてのまとめ
- リアガラスが割れる原因は「熱割れ」「小さな傷の伸展」「走行中の風圧の変化」
- リアガラスが割れたときは、応急処置をしてすぐに修理に出す
- リアガラスが割れた状態を放置すると、警察に検挙される可能性がある
もしも、リアガラスが突然割れてしまったときは、応急処置をしてから専門店やディーラーに依頼してください。放置すると傷が酷くなる一方なので、余計に修理代や交換費用が高くなります。
この記事の監修者
DUKS 府中店 営業事務
吹浦 翔太
業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。