車の雪対策は大丈夫?冬が来る前に万全の準備をしておこう!

雪による車のトラブルは、積雪の量によって左右されるわけではありません。滅多に積雪しない地域でも、突然雪が降って数cm積もるだけで事故が多発したり交通状況に大きな影響を及ぼしたりします。
積雪が招くリスクや危険を事前に知っておき、降雪への対策・準備は必須条件です。
今回の記事では、冬を迎える前に備えておきたい車の降雪対策について解説していきます。
積雪・降雪が招く危険とリスク

交通事故
積雪時、道路はタイヤがかなり滑りやすい状態になっています。
路面凍結時はもちろんですが、雪が降り積もった直後の道路はタイヤが雪に持っていかれやすく、スリップを起こしたりスタックが起きたりしてしまいます。
ほんの数cmの積雪でも、路面の滑りやすさやスタックの発生率は路面が乾燥している時よりもリスクがかなり高くなり、結果として事故に繋がってしまいます。
ホワイトアウト
ホワイトアウトは特に山間部などの強い風が吹く地域で発生しやすいですが、吹雪や豪雪時にも起きる現象です。
特に降雪時は、雪と風によって走行時の視界のすべてが真っ白な状態になってしまいます。周囲の状況が見えづらくなってしまうため、玉突き事故や人身事故など、凄惨な事故が起きてしまう要因の一つです。
軽油の凍結
軽油にはワックスの成分が含まれているため、過度な低温状態に晒されると凝固してしまいます。軽油の凝固は燃料経路の詰まりを引き起こすため、発進時や走行時のトラブルの原因になりやすいのです。
寒暖差の激しい地域へ移動する場合、寒冷地に差し掛かるとワックスが凝固したり凍結したりする可能性が非常に高くなります。
寒冷地のガソリンスタンドで販売されている軽油は凍結しにくい仕様のものが販売されているため、凍結するリスクは低いのですが、都市部などで給油した軽油のままで寒冷地へ移動すると凝固・凍結の恐れがあるので注意してください。
降雪前にしておくとベストな準備
雪が本降りになる前に備えておきたいことは、主に、
- スタッドレスタイヤに交換する
- コーティングを再度徹底して行っておく
- ウィンドウウォッシャー液の濃度をあげておく
- スノーワイパーに交換しておく
- バッテリーの液量や電圧などを確認する
この5点です。
スタッドレスタイヤに交換する
雪道を運転する際に欠かせないアイテムの代表がスタッドレスタイヤです。
前後輪の4輪全てをスタッドレスタイヤに交換する際は、装着前にタイヤの表面がすり減りすぎていないかを必ずチェックしてください。
スタッドレスタイヤにも「スリップサイン」というブロックがありますが、タイヤ表面が50%摩耗すると露出する「プラットホーム」というブロックもあります。
このプラットホームが露出している場合、雪道や凍結している路面で発揮されるはずの性能が格段に落ちているサインであり、そのままの状態での雪道走行は大変危険です。
本格的に雪が降る前に必ず確認し、タイヤの摩耗が著しいようであれば新品のスタッドレスタイヤに交換してください。
「溝の深さが新品のものと比べて50%以下になっているかどうか」を目安にすれば、新品を買うかどうか判断がつきますが、目視で判断がつかないようであればディーラーやガソリンスタンドへ相談するのがベストです。
タイヤチェーンを用意しておく
雪が降る前に、タイヤチェーンの装着方法を確認しておきましょう。同時に、タイヤのサイズにあったチェーンの用意をしておいてください。
タイヤチェーンそのものは比較的安価で購入できますが、チェーンの装着には時間がかかったりコツが必要だったりするため、装着方法は事前に確認しておくことをおすすめします。
ただし、大雪警報が出た場合は「チェーン規制」が発令されることがあります。
警報が出るほどの大雪が降ると、一部の雪道や山道などではスタッドレスタイヤでも走行することが困難になってしまいます。チェーン規制が発令されるほどの大雪時は事故のリスクが圧倒的に高くなるので、車での移動自体をできるだけ控えてください。
コーティングを再度徹底して行っておく
雪が本格的に降り出す前に、カーコーティングを再度しっかり行っておきましょう。特にフロントガラスは念入りに行ってください。
フロントガラスに撥水加工を施しておけば、雨や雪の日に視界が確保できるだけではなく、ガラスの凍結防止にも繋がります。
撥水剤も市販で多く取り扱われているので、できるだけ早めに対策を講じておくことができます。
ウィンドウウォッシャー液の濃度をあげておく
ウィンドウウォッシャー液の濃度を上げておくべき理由は、液の凍結予防に繋がるからです。
通常通りのままの濃度にしてしまうと、ウォッシャー液を出した瞬間に凍結してしまう恐れがあります。
視界が悪くなり、事故に繋がってしまう危険性も出てきてしまうので、ウォッシャー液の濃度は高くしておいてください。
また、あわせて冷却水(クーラント)の濃度も上げておきましょう。こちらも凍結予防のためです。
冷却水が凍結してしまうと、最悪の場合、エンジンの交換をしなければならない事態になってしまうこともあります。出来るだけ交換をするか補充を行うようにしてください。
※冷却水の濃度が高いまま暖かい季節を迎えてしまうと、オーバーヒートを起こしてしまうことがあります。雪の季節が過ぎたら、早めに元の濃度に戻しましょう!
スノーワイパーに交換しておく
夏用ワイパーはワイパーの骨組み部分(ブレードと呼ばれています)が、金属で構成されています。雨や風には強いのですが、凍結には弱いのが特徴です。
その点、冬用ワイパーはこのブレード部分がゴムで覆われているため、雪が降っても凍結せずに使用することができます。
雪道運転時の安全を確保するためにも、冬が始まる前にスノーワイパーに交換しておきましょう。
バッテリーの液量や電圧などを確認する
冬は、車のバッテリーが上がりやすくなります。極度の低温下に車を置いておくと、バッテリーの性能は低下してしまいます。
雪が降って厳しい寒さがやってくる前に、バッテリーの液量や電圧、性能をくまなくチェックしておきましょう。
また、経年劣化による性能の低下が起きる場合も考えられるので、出来るだけ万全な状態で冬を迎えられるようにしてください。
降雪地域を走行する際の注意点
積雪している道路や凍結している道路を走行する際は、以下の点を必ず守ってください。
- 車間距離を普段よりも長め(2倍以上)にとる
- カーブ時は十分に減速する
- ブレーキは早めに踏む
- アクセルはゆっくり踏む
- ホワイトアウトが起きたらすぐに待避する
車間距離を長めにとる
雪道では、雪がタイヤに影響を及ぼし、ハンドル操作がスムーズにいかなくなることが多くなります。
道路が乾燥している時期と同じ感覚で走ってしまうと、先行車の減速や停止に対応しきれなくなり、事故に繋がってしまうことがあります。
冬季の走行時は、車間距離を長く取ることを意識してください。
カーブ時は必ず十分な減速をする
交差点や曲がり角などでは十分な減速をしてください。
多くの車が行き交う交差点では、タイヤが路面の凍結部分を磨いている「ミラーバーン」状態になっているほか、雪を踏み固めたことによって大変滑りやすくなっています。
エンジンブレーキを使って十分な減速をし、先行車・後続車と歩行者に細心の注意を払ってください。
ブレーキは早めに踏む
雪道での走行は、ブレーキ操作を慎重に行ってください。進行方向の危険を予測し、早めにブレーキングを行いましょう。
ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)が搭載されている車種も多くなりましたが、急ブレーキをかけた経験があまりないドライバーはABSの作動に反応しきれず、ブレーキから足を離してしまうことも多いようです。
車がスリップしてしまうとハンドル操作のみでの対処は困難を極めます。車体を元に戻せなくなり、大きな事故に繋がってしまうことも多くあるので、ABSの反動にあらかじめ慣れておく練習をしておきましょう。
アクセルはゆっくり踏む
発進時、タイヤが雪に埋もれてしまう「スタック」という現象が起きることがあります。
セカンドギアに切り替え、アクセルをゆっくり踏んで発進するようにしてください。
ホワイトアウトが起きたらすぐに待避する
吹雪や大雪によってホワイトアウトが起きると、走行時の視界が著しく遮られ、安全性が十分に確保できなくなってしまいます。
そのまま無理に運転を続けてしまうと大事故につながりかねないので、すみやかに安全な場所へ車を止め、しばらく様子を見てください。
路肩や交差点付近への停車は追突事故のリスクが高くなります。徐行しながら駐車場や待避所、非常駐車帯を探し、活用するようにしてください。
走り慣れている道でも凍結箇所の把握を
普段から走り慣れている道を走行する場合、凍結しやすい箇所を把握しておくことも重要です。
カーブはもちろん、交通量の多い交差点や、風・太陽に晒されやすい橋の上、日陰になりやすい道など、細心の注意を払って走行しなければならない箇所が増えてきます。
普段走り慣れている道だからこそ、凍結しやすい箇所はをらかじめ把握しておきましょう。どのような道を走行する場合でも、冬季の運転は他の時期よりもより慎重に運転を行うようにしてください。
最後に
雪が降ると、普段走り慣れた道でも危険がたくさん現れてきます。寒さが厳しい時期は、道路の状態が日々変わってしまいます。普段以上の安全運転を心がけるためにも、車の状態を万全にしてから冬を迎えましょう。
点検や交換は、車のプロに依頼するのがベストです。車にも自分にも常にゆとりをもたせ、安全で楽しい冬を過ごしてくださいね!
この記事の監修者
DUKS 府中店 営業事務
吹浦 翔太
業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。