オールシーズンタイヤはやめたほうがいい?後悔しないためのデメリットや性能を解説
スタッドレスタイヤに履き替えるのが面倒なので、オールシーズンタイヤで1年間通したいと考えている人もいると思います。
しかし、1年間オールシーズンタイヤで通すかどうかは、ライフスタイルや環境を考えて慎重に判断しなければいけません。
どんなに経験豊富なドライバーでも、積雪や凍結した路面では事故を起こす確率が上がります。そのためオールシーズンタイヤで通すかどうかの判断は、今回の記事を参考にして決めていただけると幸いです。
目次
オールシーズンタイヤのメリットやデメリット
こちらでは、オールシーズンタイヤのメリットとデメリットについて解説していきます。
オールシーズンタイヤのメリット
オールシーズンタイヤのメリットは、以下の3つです。
- 降雪の少ない地域であれば、1年間同じタイヤで過ごせる
- 季節ごとにタイヤを交換する手間が省ける
- タイヤにかかる費用を節約できる
オールシーズンタイヤは、ゴムの硬化が懸念される気温7℃以下でも、しっかりとした走行が期待できます。そのため路面凍結が少ない地域の場合、1年間通して同じタイヤを使用できますし、たまの積雪ならチェーン装備で凌げます。
そのため季節ごとにタイヤを交換する手間が省けて、タイヤを保管するスペースを必要としません。
スタッドレスタイヤを購入する費用を節約できますし、カー用品店やディーラーなどの業者にお金を払ってタイヤ交換を依頼する費用も必要ないです。
オールシーズンタイヤのデメリット
オールシーズンタイヤのデメリットは、以下の3つです。
- 凍結した路面や積雪した道路での運転は、スタッドレスタイヤよりも困難
- 1年中使用するため、タイヤの寿命が短くなる
- 燃費性能はあまり良くない
冬用タイヤとしての性能は、やはりスタッドレスタイヤよりも劣ります。そのため降雪が多い地域や、頻繫に路面凍結する道路での使用はおすすめできません。
また、1年間同じタイヤでの走行は負担も大きくなるので、必然とタイヤの寿命も短くなります。
また、オールシーズンタイヤに使用されているゴムは、サマータイヤよりもやわらかいです。そのため、サマータイヤに比べると転がり抵抗が大きくなりやすく、燃費性能が劣ります。
オールシーズンタイヤやそれ以外のタイヤの性能比較
オールシーズンタイヤ、サマータイヤ、スタッドレスタイヤの性能を「〇」「△」「×」で比較したので、参考にしてください。
乾いた路面 | 濡れた路面 | シャーベット状の路面 | 圧雪路面 | 凍結路面 | |
---|---|---|---|---|---|
オールシーズンタイヤ | 〇 | 〇 | 〇 | △ | × |
サマータイヤ | 〇 | 〇 | × | × | × |
スタッドレスタイヤ | △ | △ | 〇 | 〇 | 〇 |
オールシーズンタイヤは、雪道でのグリップ力はある程度発揮されるため、軽く雪が積もった路面や、雪が溶けたあとのシャーベット状の路面でしたら走行できます。ただし凍結した路面や、雪が積もって凍り固められた路面での走行はおすすめできません。
安全面を考えるなら、春〜秋はサマータイヤ(ノーマルタイヤ)、冬はスタッドレスタイヤに履き替えるのがおすすめです。
基本的に冬場はスタッドレスタイヤがベター
冬場は、スタッドレスタイヤの使用がおすすめです。JAFが圧雪路と氷盤路で行った制動距離テストによると、スタッドレスとオールシーズンタイヤでは以下の差がありました。
圧雪路・時速40km/hでの制動距離テスト | 氷盤路・時速40km/hでの制動距離テスト | |
---|---|---|
スタッドレスタイヤ | 17.3m | 78.5m |
オールシーズンタイヤ | 22.7m | 101.1m |
出典:JAF|走れても止まれない、雪道のノーマルタイヤ(JAFユーザーテスト)
制動距離とは、ブレーキが効き始めてから車が停止するまでの距離です。圧雪路では、スタッドレスタイヤとオールシーズンタイヤでは5mの差がありました。
積雪時の交差点を例にすると、スタッドレスタイヤはブレーキが効き始めてから交差点の手前で止まったと仮定した場合、オールシーズンタイヤは交差点に侵入することになります。
積もった雪が凍結に変わると、制動距離はさらに長くなり危険です。もちろん、ドライバーの運転技術やスピードも関係しますが、スタッドレスタイヤの方が冬は余裕を持って運転できることが分かります。
東京などの都市部でも、積雪や路面凍結するケースも珍しくないので、本格的な冬が来る前にスタッドレスタイヤに履き替えましょう。
スタッドレスタイヤについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
オールシーズンタイヤがおすすめな人、やめたほうがいい人
オールシーズンタイヤかそれ以外のタイヤが良いかは、ライフスタイルや環境に合わせて選んでください。
判断するための基準は、以下を参考にしてください。
●滅多に雪が降らない地域に住んでいる
●車を運転するペースが週に1~2回くらい
●降雪地域や寒冷地域に住んでいる
●レジャーや帰省などで、車で雪の多い地域へ行く人
雪が降る寒冷地域にお住まいであれば、絶対にスタッドレスタイヤを使用してください。また、東京でも山間部は路面凍結しやすいので、スタッドレスタイヤへ履き替えましょう。
オールシーズンタイヤについてのまとめ
- 滅多に雪が降らない地域に住んでいる場合は、オールシーズンタイヤはおすすめ
- デメリットは冬用タイヤとしては心もとないのと、燃費性能があまり良くないこと
- 基本的に冬場はスタッドレスタイヤに履き替えるのがおすすめ
どんなに運転技術がある人でも、積雪や凍結した路面では慎重な運転を求められます。オールシーズンタイヤで通すかスタッドレスタイヤに履き替えるかは、ライフスタイルや住んでいる地域など、環境による判断が重要です。
この記事の監修者
DUKS 府中店 営業事務
吹浦 翔太
業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。