冬にバッテリー上がりが増える原因と寒さ対策

メンテナンス

冬は、バッテリーが上がりやすい季節です。実際にJAFのデータを見てみると、出動理由でバッテリーに関するトラブルが増えていることが分かります。

この記事では、車のバッテリーが冬に上がりやすい理由から、バッテリーが上がらないための防止策、バッテリーが上がった場合の対処法について解説していきます。

冬はバッテリー上がりのトラブルが多い

JAFのデータを見ると、冬はバッテリー上がりの件数が増えていることが分かります。2023年度の「出動理由」を見ると、12月〜3月に過放電バッテリーの件数が、ほかの月と比べて明らかに増加しているからです。

過放電バッテリー|2023年度の月別件数(四輪)

04月:57,475件
05月:54,292件
06月:45,492件
07月:50,875件
08月:55,038件
09月:51,924件
10月:61,754件
11月:63,294件
12月:76,354件
01月:77,068件
02月:69,408件
03月:75,283件
出典:JAF|ロードサービス救援データ(2023年度:月別)

次項では、車のバッテリーが冬に上がりやすい理由について解説していきます。

車のバッテリーは気温に影響する

車のバッテリーは、気温に影響します。冬に車のバッテリーが上がる原因は、次の3つです。

  • バッテリーの液温低下による充電効率の低下
  • エンジン始動時に必要なエネルギーが増える
  • 暖房やライトによる電気使用量が増える

こちらでは、それぞれの理由について解説していきます。

バッテリーの液温低下による充電効率の低下

冬場は気温が低くなる影響で、バッテリーの液温も低下するため、電気を取り出すための化学反応が鈍くなります。

化学反応が鈍くなると、充電や放電が上手く機能しなくなるため、充電効率が低下して充電不足気味になります。いわゆる、バッテリー性能の低下です。

そのためバッテリー性能が低下する冬場は、エンジンがかかりにくくなることがあります。

エンジン始動時に必要なエネルギーが増える

気温が低下すると、エンジンオイルの粘度が高くなるため、エンジンを動かすときの駆動抵抗が大きくなります。冬は夏よりも約1.5倍の電気を必要とするため、当然バッテリーにかかる負担も増えます。

暖房やライトによる電気使用量が増える

冬は車内を暖めるため暖房を使用したり、ライトを点灯している時間が長くなったりするため、電気の使用量が増えます。充電効率が下がるなかバッテリーの負担が増えると、過放電に繋がりやすいです。

冬は車に何日乗らないとバッテリーが上がるのか?

冬に限らず、車は2週間〜1ヶ月ほど乗らないだけで、バッテリーが上がってしまう可能性があります。

車はエンジンが停車していても、コンピュータや電装品のバックアップ電源として、常時5〜10mAほどの電気を消費している状態です。

エンジンが停止している間は、バッテリーから電気を供給しています。そのため、車に2週間〜1ヶ月乗らないだけでバッテリーが上がってしまいます。

普段からあまり車を運転しない人も、世の中には存在します。冬は路面凍結などで、車を運転するのが億劫になるかもしれません。

しかし、1〜2週間に1度のペースで構わないので、ある程度の距離を走行すれば、冬のバッテリー上がりを防ぐことができます。

車を長期間動かさなかった場合のバッテリー上がりについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。

車のバッテリーの寒さ対策

車のバッテリーの寒さ対策

・充電効率の高いバッテリーを使用する
・1~2週間に1時間以上は車を運転をする
・こまめにバッテリーの点検を行う

冬のバッテリー上がりの防止方法は、発電した電気を短時間で効率的に蓄えられる、充電効率の高いバッテリーを使用するのが効果的です。

寒冷地仕様車に搭載されていることが多く、バッテリーや発電機の役割を果たすオルタネーターの容量が増えています。

また、冬場に限らずバッテリー上がりを防止するには、1〜2週間に1時間以上は車を運転をすること、こまめにバッテリーの点検を行うことです。

バッテリーの寿命は、2年〜3年ほどです。寿命が近くなったら、バッテリーが上がりやすい冬場を迎える前に、バッテリー交換をするのがベストと言えます。

バッテリーが上がった場合の対処法

バッテリーが上がったら、次のどちらかの方法で対策をしてください。

  • エンジンのかかる車に「ブースターケーブル」を使用して助けてもらう
  • ジャンプスターター(小型バッテリー)を使用する

ほかの車から電気を分けてもらえるようでしたら、ブースターケーブルを使って一時的に充電をしましょう。また、ジャンプスターターがあれば、ほかの車から電気を分けてもらえなくても、一時的な充電ができます。

どちらの方法もできないときは、ロードサービスやJAFを呼んでください。自宅でバッテリーが上がったら、ディーラーや専門店に出張で来てもらいましょう。

また、ブースターケーブルやジャンプスターターの使用は、あくまで応急処置です。充電して運転した後はバッテリーの状態を確認して、寿命が近いようでしたら新しいバッテリーに交換してください。

バッテリー上がりの対策や、充電方法については以下の記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。

冬のバッテリー上がりについてのまとめ

  • JAFの出動理由を見ても、12月~3月はバッテリー上がりのトラブルが増加している
  • 冬にバッテリーが上がりやすいのは、バッテリー液の温度低下による充電効率の低下が大きい
  • 冬のバッテリー上がりを防止するには、容量や充電効率の高いバッテリーを使用するのがおすすめ

冬はバッテリーが上がりやすいので、こまめに運転することでバッテリー上がりを防ぐようにしてください。冬が来る前に、容量や充電効率の高いバッテリーに交換するのもおすすめです。

この記事の監修者

GlassD吹浦先生

DUKS  府中店 営業事務

吹浦 翔太

業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。

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