車のエンジンの鍵、ドアの鍵が回らない!原因と対処法を解説

車のエンジン、もしくはドアの鍵が回らない場合、焦って力任せに操作するのは禁物です。
鍵が回らない原因には、ハンドルロックやギアの位置、バッテリーの不具合、フットブレーキのシステムなど、さまざまな要因が考えられます。
また、ドア側ではシリンダーの損傷や異物の混入、ドアノブの故障なども原因となります。こうしたトラブルに対しては、正しい対処方法を知ることが早期解決につながります。
今回の記事では、イグニッションキーやドアキーが回らないときの原因と対処法について解説していきます。
目次
車のエンジンの鍵(イグニッションキー)が回らない原因と対処法

車のエンジンの鍵(イグニッションキー)が回らない、エンジンがかからない原因は、ハンドルロックがかかっているか、ギアの位置が違うといった場合が多いです。
それ以外で挙げると、バッテリーが上がっているか、フットブレーキのシステムの問題が考えられます。
- ハンドルロックがかかっている
- ギアの位置が違う
- バッテリーが上がっている
- フットブレーキのシステムの問題
こちらでは、それぞれの原因と対処法について詳しく解説していきます。
ハンドルロックがかかっている
車の鍵が回らない原因のひとつに「ハンドルロック」があります。これは、盗難防止のために備わっている機能です。
エンジンを切った状態で、ハンドルを左右に強く切ると自動的に作動します。ハンドルロックがかかると、キーシリンダーもロックされるため、鍵を差し込んでも回らなくなるのです。
対処法としては、鍵を差し込んだままハンドルを左右どちらかに少し動かしながら、同時に鍵を回すことで解除できます。
無理に力を入れると鍵が折れる恐れがあるため、慎重に操作しましょう。
ハンドルロックについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
ギアの位置が違う
オートマ車で鍵が回らない場合、ギアの位置が「P(パーキング)」以外になっていることが原因のひとつです。
車は安全のため、シフトレバーがPに入っていないとエンジンを始動できない仕組みになっています。
たとえば「N(ニュートラル)」や「D(ドライブ)」に入ったままだと、キーシリンダーがロックされて鍵が回らなくなります。
対処法としては、シフトレバーをしっかりとPに入れ直し、ブレーキペダルを踏みながら鍵を回すと解除できることがあります。
ギアが正しく入っているかを確認するだけで、意外と簡単に解決するケースも多いです。
バッテリーが上がっている
バッテリーが上がっていると、車の鍵を回すことができません。そのためバッテリーが上がっていないか、残量を確認してみてください。もしもバッテリーが上がっているなら、充電するしか方法はありません。
応急処置的に充電する場合は、以下の方法があります。
- エンジンのかかる車に「ブースターケーブル」を使用して助けてもらう
- ジャンプスターター(小型バッテリー)を使用する
上がったバッテリーは劣化してしまうため、カー用品店などで新しいバッテリーに交換するのがおすすめです。保険会社に加入している場合は、その会社のロードサービスを呼んで解決しましょう。
ちなみに冬は、寒さでバッテリーが上がりやすいです。そのため寒さが続く冬場は、特にバッテリー上がりに注意してください。
バッテリーが上がる原因や対処法、冬のバッテリー上がりについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
フットブレーキのシステムの問題
急発進を防ぐ目的で、フットブレーキを踏みながら鍵を回さないとエンジンがかからない、というシステムの車が増えてきています。
解決する方法は、フットブレーキを踏みながら鍵を回してみることです。
ちなみにMT車では、クラッチペダルを踏みながらでないと鍵が回らない(クラッチスタートシステム)場合があります。
普段運転しないMT車の鍵が回らない場合は、この方法を試してみてください。
車のドアの鍵が回らない原因と対処法

車のドアの鍵が回らない原因として、ドア部分のシリンダーが損傷していたり、ドアノブが故障していたりする、またはドア部分のシリンダー内に異物が混入していることが考えられます。
- ドア部分のシリンダーが損傷している
- ドアノブが故障している
- ドア部分のシリンダー内に異物が混入している
こちらでは、それぞれの原因と対処法について詳しく解説していきます。
ドア部分のシリンダーが損傷している
車のドアの鍵が回らない原因として、シリンダー内部の損傷が考えられます。
長年の使用や無理な力で鍵を回したことにより、シリンダー内の部品が摩耗したり、ピンが変形・破損してしまうと、鍵が正しく噛み合わず回らなくなります。
また、鍵穴に異物が入り込んだり、鍵自体が変形している場合も同様の症状が出ます。
対処法としては、まず鍵の変形や汚れを確認し、問題がなければシリンダーの修理や交換が必要です。
ドアノブが故障している
車のドアの鍵が回らない原因として、ドアノブ自体の故障が挙げられます。
ドアノブの内部にはロッドやスプリングなどの機構が組み込まれており、これらが経年劣化や衝撃によって破損すると、鍵を回してもロック機構が正しく作動しなくなります。
特に、ドアノブを引いたときの感触が軽くなったり、空回りするような場合は、内部の部品が外れていたり折れている恐れがあります。
このような場合、鍵穴や鍵自体に異常がなくても開錠できなくなるため、ドアノブの修理や交換が必要です。
ドア部分のシリンダー内に異物が混入している
車のドアの鍵が回らない原因として、シリンダー内部に異物が入り込んでいるケースがあります。
砂やホコリ、小さなゴミなどが鍵穴に侵入すると、内部のピンが正常に動作せず、鍵が引っかかって回らなくなります。
特に屋外に長時間駐車している車や、洗車時に水分と一緒に異物が入り込んだ場合に起こりやすいトラブルです。
対処法としては、鍵穴専用のクリーナーやエアダスターで異物を除去する方法があります。
しかし、無理に鍵を差し込んだり回そうとするとシリンダーを傷める恐れがあるため、慎重な対応が必要です。改善しない場合は鍵の専門業者に相談するのが安心です。
車の鍵に問題がある場合の対処法

ここまでの原因・解除方法を全て試したにも関わらず、全く解決しない場合は、車の鍵自体に問題があるかもしれません。
車の鍵は摩耗しやすく、傷みやすいです。使用している年数が長い場合は、鍵の劣化が考えられます。
車の鍵に問題がある場合、まずはスペアキーを使ったりキーシリンダーを交換したりしましょう。スマートキーの場合は、電池切れの可能性があります。
スペアキーを使ってみる
先が割れているなど、明らかに鍵が変形している場合は、スペアキーを仕様してください。また、長年使用している車の鍵は、軸の部分が削れてきて鍵穴にフィットしなくなっている可能性があります。
スペアキーは使用する機会が少ないため、劣化しておらず状態が良いです。スペアキーで解決したら、新しい鍵を作成しましょう。鍵の再作成の費用は、数千円〜1万円ほどです。
キーシリンダーを確認・交換する
スペアキーでも鍵が回らない場合は、キーシリンダーに状態を確認したり交換したりしましょう。
鍵の方が摩耗しているのであれば、鍵を変えれば解決します。しかし、キーシリンダーが磨耗していると、いくら鍵を変えても解決しません。
キーシリンダーは、経年劣化で消耗する部品です。スペアキーを使っても回らない場合は、キーシリンダーに異常がないか確認しましょう。
キーシリンダーの確認・交換は、出張してくれるディーラーや整備工場など、プロの整備士に相談してください。
スマートキーの場合は、電池切れや故障の可能性がある
スマートキーの場合は、電池が切れているか鍵の故障が考えられます。電池切れの場合は、電池を交換するだけなので簡単です。
もしも故障の場合は、新しいスマートキーを作成する必要があります。キーの種類にもよりますが、作成費用は2万円前後です。
スマートキーの電池切れや故障については、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
車や鍵は定期的なメンテナンス・交換が必要
車の鍵が抜き差ししにくくなったり、引っかかったりするようになってくると、交換のタイミングです。
明らかに形が変わっているなど、鍵の消耗は目視で確認できます。ディーラーや専門店では、鍵の無料点検を実施している場合があります。定期的にメンテナンスをお願いして、必要であれば鍵を交換しましょう。
スマートキーの場合は電池が減ってくると、残量がメーターに表示されます。キーバッテリーが少なくなったら、早めに電池交換をしてください。
NG行為|車の鍵が回らないときにやってはいけないこと
車の鍵が回らないときにやってはいけないことは、鍵を無理やり差し込んだり回したりしないことです。
また、自分で解決しようとして、鍵穴の異物を無理やり取り出そうとするのもやめましょう。
鍵を無理やり差し込んだり、回したりしない
鍵が回らないときに絶対に避けたいのが、無理に差し込んだり力任せに回そうとする行為です。
鍵穴やシリンダー内部は精密な構造になっており、強引に操作するとピンが曲がったり、鍵自体が折れてしまう危険があります。
特に寒い季節や長期間使用していない車では、内部が固着していることもあるため、焦って力を加えるのは逆効果です。
鍵穴の異物を無理やり取り出さない
鍵穴に異物が入っている場合、焦ってピンセットや針金などで無理に取り出そうとするのは避けるべきです。
鍵穴内部は繊細な構造になっており、異物を引っかけようとしてピンやスプリングを傷つけてしまうと、鍵が正常に作動しなくなる恐れがあります。
特に、異物が奥に入り込んでいる場合は、力を加えることでさらに深く押し込んでしまい、修理が困難になることもあります。
車のエンジンの鍵、ドアの鍵が回らないについてのまとめ
- イグニッションキーが回らない場合は、ハンドルロックがかかっているギアの位置が間違っている場合が多い
- 車のドアの鍵が回らないのは、ドア部分のシリンダーが損傷していたり、ドアノブが故障していたりするから
- 車の鍵やキーシリンダーが劣化していて、鍵が回らない可能性も考えられる
車のエンジン、もしくはドアの鍵が回らない場合は、原因を冷静に見極めてください。
ハンドルロックやギアの位置、バッテリー、ブレーキシステム、シリンダーや鍵自体の不具合など、状況に応じた対処方法を知っておくことで、焦らず対応できます。
自分で解決できない場合は、ディーラーや整備工場など、専門業者に相談してください。
この記事の監修者
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DUKS 府中店 営業事務
吹浦 翔太
業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。












