車のワンダリングとは?運転中に車が左右にふらつく原因と対策
「特に異常はないのに、運転中に車がふらつくようになった。」
「タイヤを変えたら、運転中に車がふらつくようになった。」
それは「ワンダリング」という現象かもしれません。ワンダリングとは、主にタイヤが原因で起こる現象です。
この記事では、ワンダリングが起こる原因から対処法について解説していきます。
目次
車のワンダリングとは
ワンダリング(wandering)を日本語に訳すと、「ふらつく」「さまよう」という意味です。
車のワンダリングとは、運転中に轍(わだち)や路面勾配(路面の傾きが強い)などの影響を受けることで、車がふらつく現象のことを言います。運転中に車が左右にふらつくようであれば、ワンダリングと考えて良いでしょう。
タイヤに不具合が出たり、サスペンションやシートが劣化していると、ふらつきを感じやすいです。車のふらつきを感じたら原因を追及して、すぐにメンテナンスするようにしてください。
ワンダリングの原因はタイヤの不具合が考えられる
ワンダリングが起きる原因として、タイヤの不具合が考えられます。ワンダリングが起きたときは、以下の不具合を疑ってタイヤをチェックしてください。
- タイヤの劣化・寿命
- タイヤの空気圧が低下している
- ホイールアライメントの不適正
- 幅広扁平タイヤと轍の相性が悪い
タイヤの劣化・寿命
ワンダリングが発生する原因として、タイヤの劣化や寿命が考えられます。
タイヤは運転すればするほど摩耗していき、ゴムの弾力が弱くなります。段差やうねりを吸収することが困難になり、地面からの振動がボディに直接伝わることでワンダリングが発生します。
タイヤの寿命や劣化具合は、以下の項目を目安に確認してください。
年数 | 走行距離 | スリップサイン/プラットフォーム | |
---|---|---|---|
サマータイヤ(ノーマルタイヤ) | 約5年 | 3〜4年 | 残り溝4mm以下 |
スタッドレスタイヤ | 3万〜5万km | 1万〜1万5千km | 新品から50%の摩耗 |
また、目に見えてタイヤに亀裂やヒビが見えたら、これも寿命です。運転を続けると事故に繋がる危険性があるので、すぐにタイヤを交換しましょう。
タイヤの寿命やメンテナンスについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
タイヤの空気圧が低下している
タイヤの劣化や寿命でないのであれば、空気圧の低下を疑ってください。たとえば左右のタイヤの空気圧が不均衡であると、ワンダリングが起きやすいです。
片方のタイヤの空気圧が高く、もう片方が低いと、空気圧の低いタイヤ側に曲がってしまいバランスが悪くなります。
タイヤの空気圧は、メーカー指定の数値で大丈夫です。走行距離にもよりますが、季節の変わり目や、乗り心地に異変を感じたら空気圧を確認しましょう。
タイヤの空気圧については、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
ホイールアライメントの不適正
車のメンテナンスをあまり行っていない場合、ホイールアライメントが狂っているのかもしれません。
タイヤには、「トー角」「キャンバー角」「キャスター角」というものがあります。これらの角度が適度に調整されていれば、ワンダリングが起きることはありません。
トー角 | 車を上から見たときに、進行方向に対してタイヤ前端を内側や外側に向ける角度のこと |
キャンバー角 | 車を前から見たときに、タイヤ上部を外側に傾けたり、もしくは内側に傾けたりする角度のこと |
キャスター角 | ハンドル操作をするときのみ存在する角度。車の横から前輪を見たとき、キングピン軸(操向軸)の傾きのこと |
車が真っすぐ走り、ちゃんと曲がり、安定して止まるためには、これらの角度が適正に調整されていなければなりません。
全部のタイヤのホイールアライメントを調整する場合、費用は2〜3万円ほどが相場です。キャンバー角のみ調整するなど、部分的な調整の場合の費用は、1ヶ所で3千円前後になります。
幅広扁平タイヤと轍の相性が悪い
ノーマルタイヤから幅広扁平タイヤに交換した場合は、それが原因である可能性が高いです。
幅を広くする事で路面との接地面積が大きくなり抵抗が増えます。扁平率を低くする事でタイヤの変形が制限され、デコボコ道や轍などの路面の変化が直接車体に伝わることで、車はふらつきます。
一見、轍が無さそうなアスファルト路面でも、轍は発生しているのです。気温の高い夏は、大きなクルマが停止する交差点付近や、交通量の多い幹線でも轍が生じています。
タイヤの不具合以外で考えられるワンダリングの原因
タイヤの不具合以外にも、ワンダリングが起こる可能性はあります。タイヤを点検して異常がなければ、以下の3つがワンダリングの原因かもしれません。
- サスペンションの劣化や変形
- シートの劣化
- ブレーキの片効き
サスペンションの劣化や変形
サスペンションが劣化していると、ワンダリングが起きます。サスペンションとは、車体の底部とタイヤをつなぐ部品です。
サスペンションは、路面から来る振動や衝撃を緩和する役割を果たします。そのため、サスペンションが劣化していたり変形していたりすると、車のふらつきを感じやすくなります。
サスペンションの交換する時期は「走行距離5万km以上、または購入から10年経過」が目安です。サスペンションの劣化が考えられる場合は、ディーラーや整備工場に交換をお願いしましょう。
サスペンションについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
シートの劣化
車のシートが劣化すると弾力性が失われるため、ふらつきを感じやすいです。シートが劣化すると、車への振動や衝撃が体に伝わりやすくなります。
対策としては、シートを交換するか専用のクッションを購入することです。シートの交換の場合、費用は高額になりますが、専用のクッションを購入するのであれば、費用を抑えることができます。クッションを置くだけでも弾力性が戻って、ふりつきを感じにくくなります。
ブレーキの片効き
ブレーキの片効きとは、ブレーキパッドがディスクに張り付いてしまうことで、左右どちらかに車が振られてしまう状態のことです。
この状態が続くとブレーキがすり減り、正常なブレーキがかからなくなります。ワンダリングの発生以外にも、事故の危険性も高くなるので、すぐにパーツ交換が必要です。
ブレーキパッドの修理は6千〜1万円程度なので、事故が起こる前にプロの整備士に修理を依頼してください。ディーラーや整備工場以外にも、カー用品店やガソリンスタンドでも対応してくれる場合があります。
ワンダリングが起きた場合の対処法
運転中に車のふらつきを感じたら、まずはタイヤの空気圧が低下していないか確認してみましょう。空気圧が低下していれば、すぐに空気を補充してください。
それ以外の原因については、ディーラーや整備工場など、プロの整備士に車の状態をチェックしてもらいましょう。タイヤやサスペンションの不具合・劣化については、自分で調整することは難しいです。
修理やパーツ交換を依頼する際は、近所のディーラーや専門店に見積もりを出してもらいましょう。見積もりだけなら無料で済むので、サービス内容や費用を比較してみてください。
車のワンダリングについてのまとめ
- 車のワンダリングとは、車がふらつく現象のこと
- ワンダリング(ふらつき)を感じたら、まずはタイヤの不具合を疑う
- タイヤの不具合以外には、サスペンションやシートの劣化、ブレーキの片効きが考えられる
車がふらつくと、事故の危険性が高まります。特に交通量の多い道路では、多くの車や歩行者を巻き込んで大惨事になるかもしれません。少しでもふらつきを感じたら、迷わずプロの整備士に相談することをおすすめします。
この記事の監修者
DUKS 府中店 営業事務
吹浦 翔太
業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。